チェスターNEWS -2012/11/27-
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親族間のお金の貸し借りについて

親子の間では、あまり深く考えずにお金の貸し借りをすることが多いです。しかし、形式に沿って行わないとそのやり取りが金銭貸借ではなく贈与とみなされ、贈与税が課されることもあるので注意しましょう。
親族間のお金の貸し借りはよくある
家族や親族間でのお金の貸し借りは、どこの家庭でも見られます。例えば、子供が車を購入する時やマイホームを建てるという場合が考えられます。このようなお金の移動については、いくつかの特例や制度が設けられています。
例えば、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置の特例や、生前贈与の際の贈与税を減らす代わりに、相続の際には相続財産に贈与された財産の価額を足した額に相続税を課すという相続時精算課税制度です。適用には、いくつかの条件を満たす必要があります。
贈与とみなされることも…
金銭貸借の際には、必ず利子を払う必要があります。
これは、親族間であっても同じです。ですが、実際に親に利子を支払っているという人はほとんどいないのではないでしょうか。
金銭貸借はこのような規定がありますが、贈与はお金を与えることになるので利子が発生することはありません。
つまり、お金の貸し借りと言いながら利子を支払うことなく返してもいないのであれば、それは贈与であると言われても仕方ないのです。
知人間や親子間で贈与が行われた場合には、暦年課税制度により年間で110万円を超えた部分について贈与税が課されることになります。
そのため、親子間で110万円を超えた貸し借りが行われた場合も、借りたお金だという証明が出来なければ税務署から贈与とみなされて税金が課されることになってしまうのです。
金銭貸借と認められるには?
贈与でないという場合には、それを認めてもらうために金銭貸借だとはっきり示す必要があります。
そのためには、
(1)借用書を作成すること
(2)借り手の返済能力に合わせた借り入れをすること
(3)実際に借りたお金を返済すること
(4)利息を支払うこと
の4つが必要です。
これらを全て行うことによって、誰が見ても金銭貸借であって贈与ではなかったということが分かるようになります。
記載内容と金額には注意
借用書には、金額と返済までの期間、利息等を記載します。
このようにして、有効な金銭消費貸借契約書を作ることが求められます。
(2)については、借り入れということは返さなければならないので、実際に毎月返済することができる金額はいくらなのかをあらかじめ算出しておくことが大事です。
それから、返済についてですが、実際に返済していてもそれが外部から確認できなければ意味がありません。そのため、立証するために金融機関に振り込む形で返済をするのが一番です。
最後の利息に付いては、親族間ということで無利息と定めた場合には「無利息」と記載する必要があります。

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