チェスターNEWS  -2017/06/27-

さまざまな税についてのニュースを発信いたします。

関連キーワード:

小規模宅地特例の要件(保有継続、居住継続、事業継続)と売買契約

小規模宅地特例の要件(保有継続、居住継続、事業継続)と売買契約

相続財産に小規模宅地の特例が使える土地が複数あった場合、どこで使う事を選択すべきかは、悩みどころとなる問題です。

例えば、こんなケースではどうでしょう?
①郊外の自宅(相続人同居)330㎡:1㎡当りの価格(不整形考慮後)130,000円
②23区内アパート(借地権割合70%)200㎡:1㎡当りの価格(不整形考慮後)440,000円

試験問題なら、
①130,000円×330㎡×80%=34,320,000円
②440,000円×200㎡×0.79×50%=34,760,000円

①<② ∴②の土地で適用する、が正解です。

実際は、色々な要素が絡み合い、試験問題のように単純ではありません。

例えば、こんな条件が加わったとします。

②の土地について
・②の土地は、旗のような形状で、奥は広いが間口は5m程度しかない。
・最近、近隣に建っている戸建の1戸あたりの敷地は20坪程度(約66㎡)のものが多い。
・近隣では、広くて高額な戸建てより、コンパクトで価格が手ごろな戸建てが人気である。
・二世帯住宅の広めの敷地を探している人から是非売ってもらえないか?と言われている。
・アパートの賃借人の方から、相続後アパートはどうするつもりか訊かれた。

①の土地について
・こちらも、買い手が見つかりそうだ。
・引き渡しは、先でも構わない。

②の土地は200㎡あり、最近、近隣に建っている戸建の1戸あたりの敷地は20坪程度(66㎡)のものが多い事を考えると、約3軒分の広さがあります。
通常、建物を建てるには、2m以上接道していないと建てられませんから、5mしか接道していないこの土地は2軒以上には分けられません。
1軒100㎡の戸建て2軒だと、1軒あたりが広い分、金額が高くなりますが、この地区ではあまり高額な戸建は人気がなく、20坪くらいの広さの戸建が価格面でも人気があります。
それを踏まえると、実はかなり売りにくい土地を買いたいという人が現れたわけですから、絶好のチャンスだと言えます。

しかも、アパートの賃借人の方が、今後アパートはどうなるのか?と気にしています。
売却の話などは、決まるまで内緒にしていたつもりでも、どういうわけか、何処からともなく賃借人の方の耳に入ったりしますので、賃借人の方は急に立ち退きと言われても困るから、今のうちに新しい家探しをはじめておこう、という気持ちになることが多いようです。

①の自宅の土地については、試しに不動産屋さんに売却の広告を出してもらったら、買いたいという人が見つかりそうだと言われています。
しかも、引き渡しは少し先でも良いとのことなので、その間にゆっくり自分の転居先も探せそうです。

早速、申告期限までに両方とも売却してしまえば、相続税の納税資金が確保できます。
小規模宅地の特例の適用を受けないで、①の土地も②の土地もすぐに売却してしまうという選択肢もあると思います。
(結局、節税出来る金額より売却価格が良い条件であれば、その方が得するわけですから)

脱線してしまいましたが、どちらで小規模宅地の特例の適用を受けるか、の話に戻ります。

小規模宅地の特例の適用を受けるためには
①の土地の場合:申告期限まで保有継続要件居住継続要件
②の土地の場合:申告期限まで保有継続要件事業継続要件
を満たす必要があります。

どちらの土地も、売買契約は申告期限前にしたとしても、引き渡しを申告期限後にすれば、保有継続要件についてはクリアできます。
では、
・居住継続要件
・事業継続要件
についてはどうでしょう?

減額できる金額で有利な②の土地で特例を適用する場合、事業継続要件をクリアしなければなりません。賃借人の方に、「申告期限までは住んでいてほしいですが、それを過ぎたら速やかに退去して欲しい」などと都合の良い事を望んでも、自分の思い通りにはなりません。

・申告期限まで賃借人が全員出て行ってしまい、事業が継続できなかった。
・反対に、申告期限までいて欲しいとお願いしたら、引き渡しまでに退去が間に合わない。
などのリスクがあります。

(そもそも、引き渡しは申告期限後とはいえ、既に土地の売買契約をしてしまった状態が事業を継続しているといえるのかも微妙なところです)

一方、自宅であればいつまで住んで、いつ転居するかも自分の思い通りに出来ますので、申告期限後まで住み続けて、申告期限後に自宅を引き渡して新しい家に転居することで、保有継続要件も、居住継続要件も満たすことが出来ます。

上記を総合的に考えると、このケースの場合は、①の自宅で適用を受けた方が良さそうです。

監修者 福留正明

【次の記事】:盗難などがあった場合のマイナンバーの変更について

【前の記事】:増改築工事に伴う価値増加分が反映されていない貸家はどう評価する?

« 一覧へ戻る

今すぐお問合せ 0120-390-203 PHS・携帯OK 【土日・夜間・訪問対応も可】平日9時~21時、土日9時~17時 メールでのお問合せ info@chester-tax.com

相続税に関する無料個別相談会開催中 お申込はこちら

出版書籍

『相続はこうしてやりなさい』これ1冊で相続のことが全て分かる!!

『相続はこうしてやりなさい』
これ1冊で相続のことが全て分かる!!

相続税専門
税理士法人チェスター(著)
出版社:ダイヤモンド社

『「華麗なる一族」から学ぶ相続の基礎知識』ミステリー小説で相続が早わかり

『「華麗なる一族」から学ぶ相続の基礎知識』
ミステリー小説で相続が早わかり

相続税専門
税理士法人チェスター(著)
出版社:亜紀書房

税理士が本当に知りたい相続相談頻出ケーススタディQ&A 1,000件を超える相談実績から“よくある事例”を厳選。

『税理士が本当に知りたい相続相談頻出ケーススタディQ&A』
1,000件を超える相談実績から“よくある事例”を厳選。

相続税専門
税理士法人チェスター(著)
出版社:清文社

  • 無料進呈 相続税申告必要資料準備ガイド
  • 税理士法人チェスター物語
  • 取材・セミナー履歴

    今まで当社がお手伝いさせていただいた新聞・雑誌の記事執筆、テレビ・CM出演、セミナーのご依頼等の履歴のページです。

  • お客様の声

    今まで当社がお手伝いさせていただいたお客様の中から、アンケートを一部ご紹介させていただきます。

  • 選ばれるチェスターの品質
  • れお君の相続徒然日記
  • 税理士 伊原慶のブログ
  • 事前登録割引制度
  • ビジョナリーバナー画像
  • Googleインドアビュー事務所内見学

税金に関するコラム