チェスターNEWS  -2017/09/26-

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特定非常災害発生日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価

特定非常災害発生日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価

1.概要

近年、昨年4月の熊本地震をはじめ大規模な災害が頻発していることを踏まえ、平成29年度改正により特定非常災害発生日前に相続等により財産を取得した場合は、特定非常災害発生直後の価額により、財産を評価する制度が創設されました。これに合わせて、「課税時期が特定非常災害発生日以後の場合の財産の価額の評価について」(法令解釈通達)が定められました。

なお、過去に特定非常災害として指定された災害は「阪神・淡路大震災」、「平成16年新潟中越地震」、「東日本大震災」、「平成28年熊本地震」の4件です。

2.対象となる財産

この通達の定めにより評価することができる財産は次の通りです。

①特定地域内にある土地等
②海面下に没した土地等
③被災した造成中の宅地
④応急仮設住宅の敷地の用に供するため使用貸借により貸し付けられている土地
⑤被災した家屋
⑥被災した建築中の家屋
⑦特定地域内に保有する資産の割合が高い法人(非上場株式)の株式等
⑧評価対象法人(非上場会社)が課税時期前3年以内に取得又は新築した特定地域内の土地等並びに家屋及びその附属設備又は構築物
注)特定地域とは、特定非常災害により被災者生活再建支援法第3条第1項の規定の適用を受ける地域(この規定の適用がない場合には、その特定非常災害により相当な損害を受けた地域として財務大臣が指定する地域)をいいます。

3.対象となる財産の評価

①特定地域内にある土地等

特定地域内にある土地及び土地の上に存する権利を評価する場合には、路線価・倍率に国税局長が特定地域内の一定の地域ごとに定めた「調整率」を乗じたものをその年分の路線価・倍率として評価します。

②海面下に没した土地等

津波被害などにより海面下に没した土地等は、その状態が将来的に回復しない場合には、評価しないことになりました。

③被災した造成中の宅地

既に投下した費用のうち災害の被害により、再度投下を要する場合には、その効用が失われた部分について調整が必要となりますから、次の算式により評価します。

(災害発生直前までに投下した宅地造成に係る費用原価のうち被災後もその効用を有する金額相当額+災害発生後から課税時期までに投下した宅地造成に係る費用原価)×80/100

④応急仮設住宅の敷地の用に供するため使用貸借により貸し付けられている土地

応急仮設住宅の敷地の用に供するため使用貸借により貸し付けられている土地は、貸付期間終了後は返還されると考えられるため、その使用貸借の残存期間に応じて、その土地の自用地としての価額からその価額に次の割合を乗じて計算した金額を控除して評価します。

・残存期間が5年以下のもの 100分の5
・残存期間が5年を超え10年以下のもの 100分の10
・残存期間が10年を超え15年以下のもの 100分の15
・残存期間が15年を超えるもの 100分の20

⑤被災した家屋

被災した家屋は、その年1月1日時点において付された固定資産税評価額を基に評価することは、不合理であるから、次の算式により評価します。

固定資産税評価額×(1-固定資産税の軽減又は免除割合)+被災家屋の修理等に係る費用原価×70/100

⑥被災した建築中の家屋

既に投下した建築費用のうち災害の被害により、再度投下を要する場合には、その効用が失われた部分について調整が必要となりますから、次の算式により評価します。

(災害発生直前までに投下した家屋の費用原価のうち被災後もその効用を有する金額相当額+災害発生後から課税時期までに投下した家屋の費用原価)×70/100

⑦特定地域内に保有する資産の割合が高い法人(非上場株式)の株式等

特定地域内に保有する資産の割合が高い法人(非上場株式)の株式等を評価する場合における類似業種比準価額の計算は次の算式によります。
なお、特定地域内に保有する資産の割合が高い法人とは、特定非常災害発生日において保有していた資産の特定非常災害の発生直前の価額の合計額のうちに占める特定地域内にあった動産等の価額の合計額の割合が10分の3以上である法人をいいます。

・配当金額
(直前期末以前1年間の利益金額(又は2年間の平均利益金額)+特定非常災害発生日を含む事業年度の見積利益金額)/2×直前期末以前2年間の平均配当率 
注)直前期末以前2年間の平均配当率は、直前期末以前2年間の剰余金の配当金額の合計額を直前期末以前2年間の利益金額の合計額で除して得た金額です。

・利益金額
(直前期末以前1年間の利益金額(又は2年間の平均利益金額)+特定非常災害発生日を含む事業年度の見積利益金額)/2

・簿価純資産価額
直前期末現在の資本金等の額+直前期末現在の利益積立金額-見積利益金額(欠損額の絶対値)

また、特定地域内に保有する資産の割合が高い法人(非上場株式)の株式等を配当還元方式で評価する場合の「その株式に係る年配当金額」については、上記の配当金額と同様の算式により求めます。

⑧評価対象法人(非上場会社)が課税時期前3年以内に取得又は新築した特定地域内の土地等並びに家屋及びその附属設備又は構築物

評価対象法人(非上場会社)が課税時期前3年以内に取得又は新築した特定地域内の土地等並びに家屋及びその附属設備又は構築物(以下「家屋等」)は、災害が発生し状況が変わったことを鑑みれば、財産評価基本通達185括弧書きの「通常の取引価額」により評価することは適当でないため、同通達は適用せずに路線価等による相続税評価額により評価します。

4.更正の請求について

この通達の適用時期は、平成28年4月14日以後に相続等により取得した財産について適用されますが、この通達に定められた評価方法によらずに相続税等の申告をされた方もいらっしゃるかと思います。この通達の定められた評価方法によれば、課税価格又は税額が減少する場合は、申告期限から5年間(贈与税は6年間)更正の請求が可能ですので、お心当たりのある方は一度見直してみてはいかがでしょうか。

監修者 福留正明

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