チェスターNEWS  -2017/11/14-

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自筆証書遺言の加除・訂正・撤回

【概要】

遺言書には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。

各遺言のメリット、デメリットについてもご参照下さい。

今回は「自筆証書遺言」の加除・訂正・撤回についてお話致します。

 【自筆証書遺言の訂正】

自筆証書遺言はその名の通り、自筆で作成する遺言書です。

従って、書き損じが生じる可能性があります。

自筆証書遺言の加除・訂正については、民法968条2項で下記のように厳格な方式が定められています。

「自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。」

要件を簡単に説明します。

無題

具体的に加除・訂正方法を示しますと下記のようになります。

無題 無題1

加除・訂正方法を少しでも間違えますとその遺言書は効力を失ってしまいます。

そのため、加除・訂正をするにあたりやむを得ない事情がある場合を除き、書き損じ等があったときは最初から書き直す方が良いかと思います。

財産が多数に渡る場合、遺言書を全て自筆するのは非常に大変です。

ですが、遺言書に不備がありますと「不動産の相続登記」や「預金の解約手続き」ができない場合があります。

また、遺産の分割内容によって「相続税額にも影響を及ぼす」可能性も高く、残された遺族の方たちが困ってしまいます。

適正な遺言書の作成をする場合には、司法書士・税理士に一度ご相談することをお勧め致します。

【自筆証書遺言の撤回】

民法1022条では、遺言の撤回について次のように定めています。

「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる」

また、民法1023条、1024条では撤回とみなす場合を次のように定めています。

「前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。」

(例:前の遺言では「Aに相続させる」、後の遺言では「Bに相続させる」とあった場合、後の遺言の「Bに相続させる」が優先され、前の遺言は撤回したものとみなす。)

「前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。」
(例:遺言書には「自宅の車はAに相続させる」とあったが、遺言書作成後に遺言者が対象の車を売却(生前処分)してしまっていた場合には、「自宅の車はAに相続させる」の部分については撤回したものとみなされます。)

「遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。」

(例:自筆証書遺言を遺言者が破り捨てた場合、その自筆証書遺言については撤回されたものとみなします。公正証書遺言の場合は手元にある正本を破棄したとしても、公証役場に原本が保管されているため、遺言書の破棄とはなりません。つまり撤回とはみなされません。)

 

上記民法の規定を「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」にあてはめると、撤回方法が異なってきます。

〈自筆証書遺言の撤回方法〉

無題5

自筆証書遺言の場合、作成した遺言書を遺言者が破棄してしまえばその遺言は撤回されます。

また、新しく遺言書を作成し「従前の遺言を撤回する旨」の記載があれば、従前の自筆証書遺言は撤回されることとなります。

ですので、「従前の自筆証書遺言を破棄し、新たに作成する遺言書に従前の遺言を撤回する旨を記載する」方法が、従前の自筆証書遺言を確実に撤回する方法と言えます。

〈公正証書遺言の撤回方法〉

無題6

公正証書遺言は、以下の3つの遺言書が存在します。

・公証役場に保管される原本

・遺言者に交付される正本

・遺言者がいつでも取得できる謄本

遺言者の手元にある正本・謄本を破棄しても公証役場に原本が残るため、遺言書を破棄したことにはならず撤回したともみなされません。

そのため、公正証書遺言を撤回する場合には公証役場にて撤回の手続きをする必要があります。

また、自筆証書遺言を新たに作り「従前の遺言を撤回する旨」を記載する方法もありますが、不備があるとその再作成した自筆証書遺言が無効となり、結局先に作成した公正証書遺言が有効となってしまうリスクがあります。

そのため、公正証書遺言の撤回をする場合には、公証役場で手続きをする方法が確実と言えます。

【まとめ】

遺言書の加除・訂正・撤回については、遺産の分割に多大な影響があり、少しでも不備があるとせっかく遺族への思いを込めて作成した遺言書が無効となり、遺言者の気持ちが全て水泡に帰してしまいます。

遺言書の作成や変更等につきましては、残された遺族への確実な遺産相続のため、司法書士や税理士へご相談をされることをお勧め致します。

監修者 福留正明

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