チェスターNEWS  -2017/12/19-

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相続税の更正の請求~判決後なのに更正の請求ができない?~

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相続税の更正の請求

所得税や相続税などの申告納税方式の国税において、既に提出した申告書に計算誤り等があり本来の税額よりも多く払い過ぎていた場合は、法定申告期限から5年以内であれば更正の請求をすることで本来の税額に正すことができます(国税通則法第23条1項)。また、「一定の後発的事由」により課税標準等又は税額等の計算の基礎に変動が生じた場合には、上記の「5年以内」とは別に、後発的事由が生じた日等の翌日から起算して2ヶ月以内であれば、更正の請求をすることができます(国税通則法第23条2項)。

加えて相続税の場合には、相続手続きに長い時間を要するという性格上、「相続税法特有の後発的事由」に対して更正の請求の特則が設けられています。この場合には、対象となる事由が生じたことを知った日の翌日から4ヶ月以内であれば、更正の請求をすることが認められています(相続税法第32条)。

後発的事由に該当しなかったケース

上記で記載した「相続税法特有の後発的事由」はいくつかありますが、その中の一つに「相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決があったこと(相続税法施行令第8条第2項第1号)」という事由があります。

この事由に該当しないとして、平成29年1月12日に請求人の主張が斥けられたケースがあります。どのような場合に当該事由に該当するのでしょうか。以下で確認します。

◆概要(通知処分までの動き)◆

相続が発生(請求人を含み相続人は3人)

請求人が相続放棄の申述を行い、家庭裁判所に受理される

請求人とは別の相続人より、法定相続分が3分の1であることを前提に遺産分割審判の申し立てがある

請求人が、民法の規定による相続分の割合に従って当該財産を取得したものとして、期限後申告書を提出

法定相続分が3分の1であることを前提に、上記遺産分割審判の確定

請求人が相続放棄の申述をしていたことを理由として、請求人は相続人ではないこと、および上記審判が無効であることを確認

無効確認を受けて、「相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決があったこと」等を原因として更正の請求

原処分庁において、更正すべき理由がない旨の通知処分

◆審判所の判断◆

当該条文に規定する「判決」は、国税通則法第23条第2項第1号に規定する「判決」とその基本的な性質を同じくするものであると解するのが相当である。そうすると、当該条文に規定する「判決」は、当該判決について、納税者において申告時に予測し得なかった事態その他やむを得ない事由が生じたと評価できるものでなければならない。本件の場合、請求人は請求人自ら相続放棄の申述をしていることから、予測し得なかった事態その他やむを得ない事由が生じたと評価できるものではなく、当該条文に規定する「判決」には該当しないものというべきである。

 ◆判決後なのに更正の請求ができない?◆

該当する条文のみを見ると、審判の確定等があればこの事由に該当するように思われます。しかしこの条文の位置付けからすると、当該事由が認められるためには、「当初申告時には予測し得なかった事態その他のやむを得ない事由が生じた」場合でなければならないのです。今回のケースでは、自分で相続放棄の申述をしていたことが原因であり請求人は今回の事態は予測し得た、という判断です。このケースのように、判決後であってもその経緯によっては更正の請求事由に該当しない場合もありますので、注意が必要です。

参考

◆相続税法第32条:更正の請求の特則(抜粋)◆

相続税又は贈与税について申告書を提出した者又は決定を受けた者は、次の各号のいずれかに該当する事由により当該申告又は決定に係る課税価格及び相続税額又は贈与税額が過大となつたときは、当該各号に規定する事由が生じたことを知つた日の翌日から四月以内に限り、納税地の所轄税務署長に対し、その課税価格及び相続税額又は贈与税額につき更正の請求をすることができる。

(第六号) 前各号に規定する事由に準ずるものとして政令で定める事由が生じたこと。

◆相続税法施行令第8条第2項第1号◆

法第三十二条第一項第六号に規定する政令で定める事由は、次に掲げる事由とする。

・相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決があったこと。

監修者 福留正明

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