チェスターNEWS  -2014/12/01-

さまざまな税についてのニュースを発信いたします。

共有物分割

共有物分割とは共有している不動産等の共有状態を解消することをいいます。共有物分割は、不分割契約等により分割が制限されている場合を除き、共有者全員の合意があればいつでも行うことができますが、安易に共有物分割をした場合には、贈与税や譲渡所得税が課税される可能性があるため注意が必要です。

 

まず、共有物分割の方法は以下の3つが考えられます。

1.現物分割

 各共有者の持分に応じて共有物を分割し、各共有者がその分割された現物を取得する方法です。1筆の土地を2筆の土地に分割するような時に用います。

2.換価分割

 共有物を売却し、その売却代金を持分に従って分割する方法です。

3.代償分割

 共有物を一人の共有者の単独所有とする代わりに、他の共有者には共有持分相当の金銭を支払って分割する方法です。

 

次に、課税関係について考えていきます。

共有物分割は原則として、譲渡所得の課税関係が生じます。これは分割があったときには、自己に帰属するに至った部分についてはほかの共有者から権利を譲受け、他の共有者に帰属するに至った部分については自己の権利を譲渡したものであって、実質的には交換又は売買のような関係が生ずると考えられるからです。したがって、二人以上の者が所有する一の共有物をそれぞれの持分に応じて現物分割した場合は、共有持分の交換(譲渡)があったということになりますので、その譲渡による利益については原則課税されることになります。ただし、共有に係る一の土地についてその持分に応ずる現物分割があった時には、その分割による土地の譲渡はなかったものとして取り扱う(所得税基本通達33-1の6)こととなっています。この取扱いは、一の共有地の現物分割についてのみ適用されますので、換価分割や代償分割による共有物分割を行った場合や、現物分割であっても所在地の異なる2以上の土地の現物分割については適用できません。

また、一の共有地の現物分割であっても贈与税が課税される場合があります。それぞれの持分の比率とそれぞれが取得する土地の時価の比率が異なる場合です。ここで時価とは、通常の取引価格のことを言います。例えば、200㎡の土地を甲と乙が2分の1ずつ所有していたとします。持分に応じて共有物分割を行うと、甲と乙は100㎡ずつ所有することとなります。しかし、甲が所有する土地(以下Aとします)は幹線道路に面しており、乙が所有する土地(以下Bとします)は幹線道路に面していないとすると、Aの時価の方がBの時価より高くなりますので、時価の比率と持分の比率は一致しません。これを図にしますと、次のようになります。

 

このような分割は乙から甲への贈与があったものとみなされ、甲に贈与税が課税されます。

 

 以上より、持分の比率と時価の比率が同じ一の共有地の現物分割以外の共有物分割は課税関係が生じる可能性があるため、分割を行う際は慎重に検討しましょう。

 

監修者 福留正明

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