チェスターNEWS -2015/03/30-
さまざまな税についてのニュースを発信いたします。
関連キーワード: 小規模宅地

初心者でも分かる!小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例とは、被相続人が住んでいた土地や事業をしていた土地について一定の要件を満たす場合には最大で80%の評価減ができる非常に重要な相続税計算上の特例です。実務で頻繁に出てくる特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等について解説します。
1. 特定居住用宅地等
① 制度の内容
被相続人が住んでいた土地は、その相続人にとって生活の基盤となる非常に重要な財産であり、容易に売却などができない財産です。このような財産に相続税をかけてしまうと相続人の生活が困窮してしまう可能性があります。この特例は、被相続人が亡くなった後の相続人の生活を保障する上でも非常に重要な特例となります。
② 要件
主に下記の要件を満たす必要があります。
- ・被相続人が住んでいた土地であること
- ・その土地を被相続人の「配偶者」、「同居親族」、「別居で持ち家がない一定の親族」のいずれかが相続すること
- ・「配偶者」以外が相続をした場合には、相続税の申告期限まで所有及び居住すること
③ 適用限度額
330㎡まで80%の評価減ができます。
例えば、被相続人が住んでいた土地が400㎡で相続税評価額が1億円だったとします。この特例を適用するとこの土地の評価額は、3,400万円※となります。
※ 具体的な計算
1億円-1億円×330㎡/400㎡×80%
2. 貸付事業用宅地等
① 制度の内容
賃貸アパートや駐車場など被相続人の貸付事業のように供されていた土地については、その家賃、地代が被相続人死後の相続人の生活に必要な収入となります。このような財産についても相続人の生活を守るために一定の特例が用意されています。
② 要件
主に下記の要件を満たす必要があります。
- ・被相続人が貸付事業を行っていた土地であること
- ・駐車場である場合にはアスファルトなど構築物の敷地であること
- ・相続税の申告期限まで所有し、貸付事業を継続すること
なお、親族等に低額で貸していた土地などについては、この特例の適用を受けることができない可能性もありますので注意が必要です。
③ 適用限度額
200㎡まで50%の評価減ができます。
なお、上記1の特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等が共にある場合には、下記の計算式によって計算した面積が200㎡を超えることはできませんので注意してください。
「 A×200/330+B×200/400+C 」
- A:特定居住用宅地等の面積
- B:特定事業用宅地等(被相続人が貸付事業以外の事業を行っていた宅地)の面積
- C:貸付事業用宅地等の面積

【次の記事】:死亡保険金に相続税や税金はかかるのか?
【前の記事】:間に合わなければペナルティ!?相続税申告の期限