チェスターNEWS  -2015/04/08-

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相続税の配偶者控除の計算方法は、1億6000万円が基準!?

1. 相続税の配偶者控除とは

故人と長らく生活を共にしてきた配偶者には、残された配偶者のその後の生活などを考慮して、相続税について大きな税額軽減が設けられています。それが配偶者控除です。

具体的には、配偶者が遺産分割や遺贈により取得した遺産額が、1億6,000万円又は配偶者の法定相続分に相当する額のどちらか多い金額までは相続税が掛からないことになります。

相続税の配偶者の税額軽減については、配偶者が遺産分割などにより実際に取得した財産を基に計算します。そのため、相続税の申告期限までに分割されていない財産については適用がありません。

ただし、相続税の申告期限までに全ての財産又は一部の財産について分割が決定できなかった場合、相続税の申告書に「申告期限後3年内の分割見込書」という書類を添付することで分割決定後に相続税の配偶者控除の適用を受けることが出来ます。

この場合、最初の相続税申告では分割できなかった財産については配偶者控除の適用はできませんが、分割が決定した日より4か月以内に更正の請求という手続きをすれば、その時に配偶者控除が適用できるようになります。この時、結果として納めすぎとなっていた相続税については税務署より戻ってくることになります。

2. 配偶者控除による軽減税額

それでは、相続税の配偶者控除を受けることにより、相続税の違いはどれくらいになるのでしょうか。
簡単な事例で計算してみましょう。

■ケース① 故人の遺産が1億円あり、法定相続人が配偶者と子1人のケース

まず、全体の相続税額を計算すると770万円になります。つまり、全ての財産を子が取得すると770万円の相続税が発生します。
次に、相続税の配偶者控除を最大限に適用した場合の相続税額を計算します。
配偶者の法定相続分は1/2ですので、法定相続分に相当する遺産額は1億円×1/2=5,000万円となります。5,000万円<1億6,000万円となるので、この場合は1億6,000万円が配偶者控除の基準になります。
よって、このケースでは、配偶者が遺産を全て取得すれば相続税は1円も掛からないことになり、配偶者控除による相続税の軽減額は最大で770万円ということになります。

■ケース② 故人の遺産が5億円あり、法定相続人が配偶者と子1人のケース

このケースでは、配偶者が1円も財産を取得しない時、つまり最大の相続税額は1億5,210万円になります。
配偶者の法定相続分相当額が5億×1/2=2億5,000万円となり、1億6,000万円より多くなるので、2億5,000万円が基準となります。
つまり、このケースでは配偶者が取得した遺産が2億5,000万円以下であれば配偶者に相続税は掛からないこととなります。
この時、配偶者控除を最大限に適用するとすれば、1億5,210万円×2億5,000万円/5億=7,605万円もの相続税が軽減できることになります。

3. 相続税の配偶者控除の思わぬ落とし穴!?

上の文章をみると、相続税の配偶者控除による節税効果は絶大で、使わないと損をしているように感じる方が多いと思います。
確かに、配偶者控除は相続税の税額軽減のうち、最も軽減額が大きい控除といえます。
しかし、配偶者控除を受けることにより、結果的に相続税の負担がより大きくなる可能性があります。下記のケースを見てみましょう。

■ケース③ 故人の遺産が6,000万円、法定相続人が配偶者と子供の計2人、配偶者の固有財産が3,000万円あるケース

【A.故人の全ての遺産を配偶者が相続し、その後配偶者が亡くなられた場合】

まず、故人の相続税について、故人の遺産は1億6,000万円以下ですので、故人の遺産である6,000万円については配偶者控除の適用が受けられます。そのため、故人に掛かる相続税は0円ということになります。
では配偶者が亡くなった時の相続税についてはどうでしょうか。
配偶者の遺産は3,000万円に相続で取得した6,000万円を加えた9,000万円になります。
この時、配偶者の遺産に掛かる相続税額は920万円になります。
結果として、故人の全ての遺産を配偶者が取得した場合には、子供が支払う相続税の合計額は920万円になります。

【B.故人の全ての遺産を子供が相続し、その後配偶者が亡くなられた場合】

故人の相続税については、配偶者が取得する遺産がありませんので、配偶者控除の適用はありません。故人の遺産6千万円に掛かる相続税額を計算すると、180万円になります。
配偶者の相続税については、配偶者の遺産は3,000万円のままですので、相続人が1人の時の基礎控除である3,600万円(3,000万円+相続人の人数×600万円)を下回ることになり、配偶者の遺産については相続税が発生しないことになります。
よって、故人の全ての遺産を子供が相続した場合には、子供が支払う相続税の合計額は180万円になります。

いかがでしょうか。確かにAの場合の方が、故人の相続税については180万円有利になります。しかし、配偶者の相続に掛かる相続税と合計で見ると、Bの方が740万円も子供が支払う相続税の金額が少ないことになります。

このような場合の故人の相続を一次相続、配偶者の相続を二次相続といい、相続税の節税という観点から遺産分割をする場合には、一次相続と二次相続の合計の相続税が最も有利になるように一次相続の遺産分割内容を決定します。

このように一次相続だけを考え、相続税の配偶者控除を最大限に適用してしまいがちですが、一次二次相続、合計の相続税を考えると相続税の配偶者控除の適用によっては大きく損をしてしまう可能性がありますのでご注意ください。

監修者 福留正明

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