相続税法基本通達における「住所」の意義

法律的な処理における住所の重要性

住所という言葉は、私たちの普段の生活でもよく使うものです。「いま住んでいるところ」「寝起きする場所」などの意味で使われるのが一般的でしょう。しかし、相続を含む法律的な処理を行うには、住所についてより厳密な定義が必要とされます。そこで、ここでは次の3点について、しっかり解説しましょう。

1)相続税法基本通達での「住所」は、どのような定義か?
2)海外にいる場合、住所の扱いはどうなるのか?
3)具体的に相続税法上の「住所」にはどんなものが含まれるのか?

1)相続税法基本通達においての「住所」の意義

相続税法基本通達においては、「住所」が以下のように定義されています。

・生活の本拠である
・生活の本拠がどこにあるかは、客観的事実によって判定する
・日本国内に同一人物の住所は一つしかない

これをまとめると、「客観的に生活の本拠として認められる場所」が住所であることになります。つまり、持ち家があったとしても、実際そこに住んで生活していなければ、相続税法上の住所とは認められません。

2)海外にいる場合、住所の扱いはどうなるのか?

海外渡航していても、次の場合は、日本国内に住所があるとみなされます。

・海外に留学していて、日本国内にいる親族の扶養家族になっている場合
・海外勤務でも、概ね1年以内の勤務である場合(同居している家族も含む)
・国外出張、興行など、一時的に日本を離れているだけの場合

3)具体的に相続税法上の「住所」にはどんなものが含まれるのか?

それでは、具体的に相続税法上の「住所」にはどんなものが含まれるのでしょうか?相続税法では、納税義務のある方の住所を、次の4つに分類しています。

1)居住無制限納税義務者

相続や贈与を受けた時点で日本国内に住所がある方が当てはまります。ここに分類される方は、相続や贈与を受けた財産が国内外のどこにあろうとも、納税の義務があります。

2)非居住無制限納税義務者

相続や贈与を受けた時点で日本国外に住所がある方で、かつご本人または被相続人や贈与する方が相続開始前の10年以内に日本国内に住所があった方が当てはまります。ここに分類される人についても、相続や贈与を受けた財産が国内外のどこにあろうとも、納税の義務があります。

3)制限納税義務者

相続や贈与を受けた時点で日本国外に住所がある方で、非居住無制限納税義務者に該当しない方が当てはまります。ここに分類される方は、日本国内にある財産についてのみ納税の義務を負います。つまり、国外にある財産を相続や贈与されても課税対象となりません。

4)特定納税義務者

相続時積算課税を適用して財産を受け取った方が当てはまります。
※相続時積算課税とは、主に生前贈与を促進するために創設された、通常の贈与税とは基礎控除額や手続きが違っている課税制度です。

参考:国税庁HP

チェスター相続クラブ

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