「当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの」の意義

被相続人から取得した財産を、宗教、慈善、学術など公益を目的とする事業の用に供することが確実の場合には、その財産の相続に相続税が課税されません。以下では、相続財産が「公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの」とはどういう意味なのかについて解説します。

当該意義の法令解釈について

相続税法第12条第1項第3号では、宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者が、相続又は遺贈により取得した財産を、当該公益を目的とした事業の用に供する場合には、その財産の相続を相続税の非課税財産とすると規定しています。

また、相続税基本通達では、このことに関する法令解釈がなされており、これによると「当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの」とは、相続の開始時点において、その財産を当該公益事業の用に供する具体的な計画があり、かつ、当該事業の用に供しえる状態にある、とされています。

ちなみに、相続税法第12条第1項第3号で規定する宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業とは、相続税法施行令第2条にその定義に関する規定があり、それによると、
 ・社会福祉法に規定する社会福祉法
 ・更生保護事業法に規定する更正保護事業
 ・児童福祉法に規定する家庭的保育事業
 ・学校教育法などに規定する学校を運営する事業
 ・その他
となっています。

公益事業を行う被相続人から相続人が当該公益事業を承継した場合

被相続人が相続税法施行令第2条で規定する事業を行うもので、相続人が、その事業を承継した場合には、被相続人がその事業の用に供していた財産は、「当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの」として、相続税の非課税財産となります。

ただし、相続税の申告期限までに、当該事業の用に供される財産の帰属先が決まらない場合や、被相続人の死亡により当該事業が著しく縮小した場合には、当該財産が「当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの」とは見做されず、相続税の非課税財産とはなりません。

財産の得から2年を経過しても公益事業の用に供されない場合

なお、相続の開始において、対象財産が、被相続人が行っていた公益を目的とする事業の用に供される具体的計画があり、かつ、当該公益を目的とする事業の用に供し得る状態にあったとしても、相続人による当該財産の取得から2年を経過しても、その財産が、公益を目的とする事業の用に供されていない場合には、非課税財産扱いが取消されます。

この場合には、相続人がその財産を取得した時の時価において評価した価額を、相続財産の課税価額に加え相続税額が再計算されます。従って、相続人は、延滞税及び各種加算税の納付義務が生ずることになります。

(「当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの」の意義)
12-3 法第12条第1項第3号に規定する「当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの」とは、その財産について、相続開始の時において当該公益を目的とする事業の用に供することに関する具体的計画があり、かつ、当該公益を目的とする事業の用に供される状況にあるものをいうものとする。したがって、個人生活の用に供されるものは、これに該当しないことに留意する。

チェスター相続クラブ

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