物納の許可限度額の計算

物納の許可限度額の計算と相続税の納付に関する知識についての解説

物納の許可限度額の計算を理解する前に、先に軽く相続税と相続税の納付に関する知識を頭に入れておきましょう。
相続税とは、亡くなった人や遺言などで、財産が相続される場合に発生する国税です。相続税の納付は原則、金銭による一括納付となっており、一括納付が困難な場合は一定の要件を満たし、担保を提供する事で延納、延納でも納付が困難な場合、物納の制度を検討する事となります。順序は金銭、延納、物納の順番であり、いきなり物納制度を検討する事はできません。
これらを踏まえた上で、相続税の物納制度の許可限度額の計算に触れていきましょう。相続税は上記のようにまず金銭による一括納付と延納制度を検討し、これらで払える額は金銭で払う事となります。
つまり、納付期限までに金銭の納付と、延納制度での納付する額でも払いきれない相続税額が物納の許可限度額となります。金銭による納付は、納付期限、納付すべき日にあるあらゆる金額から、申請者他の親族などの生活費3ヶ月分を差し引いた金額です。
前者の金額は、相続による財産の他に固有財産も含まれ、後者は控除額です。払える分の金額は支払う事となりますが、生活費分の控除はあるという事です。
次に延納ですが、年間の収入から年間の生活費、事業費、経費などを差し引いた額が年間の納付額となります。この年間納付額に年数を掛け算し、その後臨時の収入と支出を足し引きした額が延納できる金額となります。相続税額から、金銭納付額と延納による納付額を引き算した結果が、物納の許可限度額となります。
いきなり物納は出来ませんので、まず金銭で払える額を支払い、次に延納で支払う額を計算し、その後、物納の許可限度額が算出されると覚えておいてください。そして延納や物納を検討されている方は、申請に必要な書類を添付する可能性があります。
よって必要と思える書類は事前に残しておくよう心がけましょう。

(物納の許可限度額の計算)
41-1 法施行令第17条に規定する物納の許可限度額の算出方法を算式で示せば、次のとおりである。(平4課資2-158・徴管5-6、平7課資2-119・徴管5-5、平18徴管5-14改正)
A-{ ((B-C-D)×E+F)+(G-H) }
(注) 算式中の符号は次のとおりである。
 A は、38-2により計算した額
 Bは、前年の申告所得税の確定申告書等に係る収支内訳書等から求めた1年間の事業に係る収入金額(給与所得者の場合は前年の給与等に係る支給金額)から臨時的な収入に係る金額を控除した額。ただし、最近の事業の実績に変動がある場合は、その実績を踏まえて算出した額を加味して差し支えないものとする。
 Cは、38-2のEの額に12を乗じた額
 Dは、事業の継続のために必要な運転資金の額。事業の継続のために必要な運転資金の額とは、前年の申告所得税の確定申告等に係る収支内訳書等から求めた1年間の事業に係る経費の中から、臨時的な支出項目及び減価償却費を除いた額を当該金額とする。ただし、最近の事業の実績に変動がある場合には、その実績を踏まえて算出した額を加味して差し支えないものとする。
 Eは、当該物納申請税額を延納申請税額であるとみなした場合に、法第38条第1項の規定により延納が認められる最長年数とする。
 Fは、38-2のEの額に3を乗じた額に38-2のFの額を加えた額
 Gは、臨時的収入の額。
 なお、臨時的収入の額とは、おおむね1年以内に発生が見込まれる臨時的な金銭収入(貸付金の返還、退職金の給付の確定等)をいうものとする。
 Hは、臨時的支出の額。
 なお、臨時的支出の額とは、おおむね1年以内に発生が見込まれる臨時的な支出(事業用資産の購入等)をいうものとする。

チェスター相続クラブ

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