小規模宅地等の特例における「生計を一にしていた」とは

小規模宅地等の特例の要件である「生計を一にしていた」とは

小規模宅地等の特例適用するためには、相続人が被相続人と「生計を一にしていた」という要件が必要です。では、この「生計を一にしていた」とはどのような要件が該当するのでしょうか。
相続税法には、これについての規定がありませんが、実務上では所得税法にこれについての定義が所得税法基本通達2-47にありますので、これを準用しています。
この規定は、同居している場合に限らず、たとえ別居していても生活費等を送金しているような場合も含みます。要は、別居していても経済的な意味で生活を共にしていれば、生計を一にしていると判断されるわけです。
では、経済的には独立していても、日常生活の世話をしてあげていたりする等で協力し合っているような状態はどうなのでしょうか。この場合、経済的に生計を一にしている事実がないことから、「生計を一にしていた」とは判断されません。
平成19年の福岡高裁の判決で、食事を作ってあげていたり、食材を買ってきたりしてあげたりしていても、被相続人に自分自身の収入があり、経済的に自立している状態にあることを理由に、「生計を一にしていた」とは判断せず、小規模宅地等の特例を否認した事例があります。
この判例の考え方は、現在も引き続いて採用されていることから、どんなに被相続人の世話をしていたとしても、「生計を一にしていた」とは判断されず、小規模宅地等の特例の適用を受けることはできません。

チェスター相続クラブ

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