共有家屋(貸家)の敷地の用に供されていた宅地等についての小規模宅地等の特例の選択

1.貸家建付地・自用地の両方のどちらも適用対象

相続税は、財産を相続や遺贈で受け取ったときに発生する税金です。

しかし相続財産は必ずしも単純に金銭で表せるものではなく、不動産、土地、他にも株式や債券といったものが相続されることもあります。納税義務がありますので、納付と申請書の提出が必要になりますが、これらのケースによっては納付すること自体が困難ということも珍しくありません。

一度に納付が仕切れない程の金額の場合には延納という分割して支払っていく制度を利用し、金銭で納めるのが困難な場合には物納として物品を直接納付するという制度が利用することができます。

統計情報によりますと、相続財産のうち土地・家屋等の不動産は6割になると報告されています。土地の評価には様々な控除や特例があり、それらには敷地面積・土地の所有者・利用目的などが問われることになります。

その特例の1つとして「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」を選択することが出来ます。これは相続された財産が、被相続人等の居住用や事業用に供されていた宅地等であった場合、限度面積までの部分については相続税の課税対象となる価額を計算するとき、一定の割合を減額できるというものです。

では、共有家屋(貸家)の敷地の用に供されていた宅地等について、小規模宅地等の特例はどのように適用できるのでしょうか。一般的な数字で見てみましょう。

□ 相続人の所有する宅地(400㎡)

□ 相続人(貸家の共有持分60%、持分に対応する部分240㎡)
・・・貸家を目的とする宅地のため、貸家建付地評価となります

□ 相続人と生計を一にしている 被相続人(貸家の共有持分40%、持分に対応する部分160㎡)
・・・使用貸借として自用地評価となります

※貸家の共有持分・宅地などは被相続人が全て取得し、取得した家屋について被相続人が貸付事業を申告期限までに行っていることとします。

この場合にはどちらも小規模宅地等の特例の対象となりますので、自用地評価の160㎡に貸家建付地から限度面積部分の合計に達するまで適用することができます。

なお、小規模宅地等の特例が適用される財産は、個人が相続又は遺贈により取得した財産に限られています(租税特別措置法第69条の4第1項)。よって、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や、相続時精算課税を選択していた贈与財産は、小規模宅地等の特例を選択することはできません。「小規模宅地等の特例を適用する財産か?」「将来にわたって収益が見込まれるため、利益の蓄積が予想される不動産か?」など、共有家屋の贈与や相続時精算課税制度の利用を検討するには、注意が必要です。

チェスター相続クラブ

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