相続時精算課税適用者の死亡により承継した相続税の納税に係る義務の債務控除

遺産総額から債務、葬式費用を除いて相続税を計算することができます。
住所が国内にない人で、財産をもらった時に日本国籍であった、被相続人、あるいは財産を受け取った人物が被相続人の死亡前五年以内に国内に住所があったという二つの基本条件にあてはまらない場合は、たとえ相続人や包括受遺者であっても、相続や遺贈によって財産を得た時に、遺産総額から控除できる債務の領域が限定され、葬儀の費用も差し引くことはできません。(相続税法1 3条の2)

制限納税義務者の債務控除の範囲が限定される訳

制限納税義務者の課税財産を国内財産及び相続時精算課税適用財産に限定した件(相続税法2条の2)に対して、控除するべき債務もまたその財産に関わるもので、その人が払うべきものに限られます。
制限納税義務者の債務控除の範囲は、下記相続税法13条2の通りです

国内にある課税財産を目的とする留置権、特別の先取特権、質権

留置権(国内の課税財産を目的とする)、特別の先取特権、質権あるいは抵当権で保障される債務を差し引くべき債務としてあげていることの意味合いは、その財産は、これらの担保権の定めによりその交換メリットを債権者が握っていて、担保権が定められた領域においては実際被相続人の責任財産と関わらない財産になり、相続人が被担保債権の精算をしなければその担保権が執行されその財産の所有権を亡くし、あるいはとりもどせないので、これらの担保権に保障された債務は国内の財産に関わる債務と承認されるので、控除対象になります。
一方で、通常の先取特権は、日本国内の課税財産だけを目当てとする担保物件とはならないので、一般先取特権ではないと解釈されます。

国内にある課税財産の取得、維持又は管理のために生じた債務について

日本国内の課税財産の未払取得代金、未払修繕費等の財産の獲得、管理、維持による債務は、その国内財産に関わって発生した費用という性質がある債務なので、差し引かれるべきものと解釈されます。

被相続人が死亡の時、国内に営業所又は事業所を有していた場合

国内に営業所や事業所を持っていた被相続人が死亡した時、営業所や事業所を持つ人の営業所、事業所に係る営業上、事業上の権利が課税財産となるので(相続税法10条の1-13)、国内のこれらの債務についても差し引きに値すると解釈されます。

(相続時精算課税適用者の死亡により承継した相続税の納税に係る義務の債務控除)
14-5 特定贈与者の死亡以前に当該特定贈与者に係る相続時精算課税適用者が死亡したことから法第21条の17の規定により当該相続時精算課税適用者の相続人(包括受遺者を含み、当該特定贈与者を除く。以下14-5において同じ。)が当該相続時精算課税適用者の有していた相続時精算課税の適用を受けていたことに伴う納税に係る権利若しくは義務を承継した場合において、又は贈与者の死亡前に相続時精算課税選択届出書を提出しないで受贈者が死亡したことから法第21条の18の規定により当該受贈者の相続人(包括受遺者を含み、当該贈与者を除く。以下14-5において同じ。)が当該受贈者の有することとなる相続時精算課税の適用を受けることに伴う納税に係る権利若しくは義務を承継した場合において、その承継した納税に係る義務は、当該相続時精算課税適用者又は当該受贈者の死亡に係る当該相続時精算課税適用者の相続人又は当該受贈者の相続人の相続税の課税価格の計算上、債務控除の対象とすることはできないことに留意する。(平15課資2-1追加)

チェスター相続クラブ

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