相続開始の年の特定贈与財産に対する贈与税の課税

贈与税の控除の中に、配偶者控除というものがあります。これは、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産もしくは居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合に、基礎控除110万のほかに最高2,000万円まで控除できるという特例の控除のことをいいます。
もし2,000万円に満たない場合は、その合計額が控除されます。そして、この配偶者控除の適用を受けた財産のうちの控除額に相当する部分を、特定贈与財産といいます。
万が一、相続開始の年に被相続人(この場合は死亡した夫もしくは妻)から贈与を受けていた場合で、過去にその被相続人からの贈与について配偶者控除を受けていないときは、その居住用不動産について、贈与税の配偶者控除があるものとして控除される部分がある場合には、この控除される部分も、特定贈与財産に含まれます。

相続開始の年の贈与税

相続税法には、贈与のあった年に、その贈与者が死亡し、相続が発生した場合には、贈与財産に対する贈与税の課税はなく、その贈与財産の価格を相続税の課税価格に加算して相続税の課税をすることと規定されています。
その場合は、贈与税の申告は必要なく、相続税の申告のみでよいことになります。

相続開始の年の特定贈与財産に対する贈与税の課税

婚姻期間が20年以上である夫もしくは妻から特定贈与財産(居住用不動産もしくは居住用不動産を取得するための金銭)の贈与があった年に、その贈与者が死亡した場合は、通常の財産を取得した場合とは違い、その特定贈与財産の価格が相続の開始する日の年分の贈与税の課税価格として計算されます。相続税の課税とはなりません。
もし過去にその贈与者からの贈与について配偶者控除を受けていないときであって、その特定贈与財産について配偶者控除が適用できるものである場合には、もちろん、適用を受けることができます。

相続税基本通達 第19条
(相続開始の年の特定贈与財産に対する贈与税の課税)
相続の開始の年に当該相続に係る被相続人から贈与により取得した居住用不動産又は金銭で特定贈与財産に該当するものについては、法第21条の2第4項の規定の適用がなく、その財産の価額が相続の開始の日の属する年分の贈与税の課税価格に算入されるのであるから留意する。(平6課資2-114追加、平15課資2-1改正)
(注) 法第19条第2項第2号の規定により特定贈与財産に該当することとなった居住用不動産又は金銭の価額については、贈与税の配偶者控除の適用がない場合であっても、相続税の課税価格に加算されないのであるから留意する。

相続税法 第21条の2第4項
相続又は遺贈により財産を取得した者が相続開始の年において当該相続に係る被相続人から受けた贈与により取得した財産の価額で第19条の規定により相続税の課税価格に加算されるものは、前3項の規定にかかわらず、贈与税の課税価格に算入しない。
相続税法 第19条第2項第2号
 前項の相続又は遺贈に係る第27条の規定による申告書の提出期限(以下この項において「申告期限」という。)までに、当該相続又は遺贈により取得した財産の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によつてまだ分割されていない場合における前項の規定の適用については、その分割されていない財産は、同項第2号ロの課税価格の計算の基礎とされる財産に含まれないものとする。ただし、その分割されていない財産が申告期限から3年以内(当該期間が経過するまでの間に当該財産が分割されなかつたことにつき、当該相続又は遺贈に関し訴えの提起がされたことその他の政令で定めるやむを得ない事情がある場合において、政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは、当該財産の分割ができることとなつた日として政令で定める日の翌日から4月以内)に分割された場合には、その分割された財産については、この限りでない。

チェスター相続クラブ

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