贈与税の配偶者控除の場合の婚姻期間の計算

贈与税には配偶者控除の規定があります。戸籍上の婚姻期間が20年以上である配偶者から居住用不動産またはその購入のための資金の贈与を受けたときは、一定の要件のもと、贈与税の課税価格から2,000万円までを控除するというものです。

婚姻期間の計算について相続税基本通達では、1年未満の端数は切り上げないと定めています。つまり、婚姻の届け出の日から贈与の日までの期間が19年11か月の場合は、配偶者控除の適用を受けることができません。

1.贈与税の配偶者控除

贈与税の配偶者控除の適用を受けることができるのは、次の要件のすべてにあてはまる場合です。

● 戸籍上の婚姻期間が20年以上であること。内縁(未入籍)の期間は含みません。
● 日本国内の居住用不動産またはその購入資金の贈与であること。土地のみ、家屋のみでも適用できます。
● 居住用不動産は、翌年3月15日までに入居し、その後も引き続いて居住するためのものであること。

適用を受けるためには、税額が0であっても申告する必要があります。また、同じ配偶者からの贈与で適用を受けることができるのは1回限りとされています。異なる配偶者からの贈与であれば2回以上適用を受けることはできますが、20年以上の婚姻期間が必要なので、あまり現実的ではありません。

2.相続税基本通達の規定の意味

贈与税の配偶者控除を受けるために必要な婚姻の期間を20年以上と定めています。これに加えて、相続税基本通達では、「贈与税の配偶者控除の場合の婚姻期間の計算」という項目を設けて、婚姻期間に1年未満の端数があるときであってもその端数を切り上げないこととしています。

婚姻期間の計算については相続税法で「20年以上」と定めているので、19年を超えて20年未満の場合は配偶者控除の適用の対象にならないことは読み取れるのですが、基本通達で改めて婚姻期間の計算について明示しているのには理由があります。

相続税には未成年者控除と障害者控除があります。どちらも相続開始時の年齢から一定の年齢までの年数に応じて控除額が定められますが、このときの1年未満の端数は切り上げることになっています。つまり、計算した年数が19年を超えて20年未満の場合は、20年として計算します。

このように同じ相続税法の規定でありながら、贈与税の配偶者控除と、相続税の未成年者控除・障害者控除とで1年未満の端数の取り扱いが異なることから、基本通達で改めて婚姻期間の計算について明示しています。

(贈与税の配偶者控除の場合の婚姻期間の計算)
21の6-7 法第21条の6に規定する婚姻期間を計算する場合において、その計算した婚姻期間に1年未満の端数があるときであっても、その端数を切り上げないのであるから留意する。したがって、その婚姻期間が19年を超え20年未満であるときは、贈与税の配偶者控除の適用がない。(昭46直審(資)6追加、昭50直資2-257改正)

チェスター相続クラブ

関連性が高い記事

生前贈与は相続税の税務調査で一番の標的!!
年間110万円を超える贈与があった場合には、財産を受け取った人は高い税率の贈与税を、支払う必要があります。贈与税の申告と納税は、原則、財産をもらった人が、もらった年の翌年の2月1日から3月15日までに確定申告をすることになっています。 そし […]
特定障害者に対する贈与税の非課税
特定障害者の信託のメリット 病気や事故などにより、心身に障がいが生じている人の中でも、特に重度の障がいがある人は特別障害者といわれています。 これは、常に心神喪失の状況にある人や所定の施設や精神科医から重度の知的障害者と認定されている人、1 […]
贈与税額の端数処理
贈与税を申告するにあたっては、当然正しい計算が求められます。ただ、細かく計算すればそれで良い、というわけではなく、贈与税を計算する上で決まっている計算方法に則って正しく計算しなければいけません。もし正しく計算できていなければ、修正申告などを […]

カテゴリから他の記事を探す

相続大辞典目次へ

キーワード検索

入力されたキーワードに一致した記事を検索できます。

今すぐお問合せ 0120-390-203 PHS・携帯OK 【土日・夜間・訪問対応も可】平日9時~21時、土日9時~17時 メールでのお問合せ info@chester-tax.com

相続税に関する無料個別相談会開催中 お申込はこちら

出版書籍

『相続はこうしてやりなさい』これ1冊で相続のことが全て分かる!!

『相続はこうしてやりなさい』
これ1冊で相続のことが全て分かる!!

相続税専門
税理士法人チェスター(著)
出版社:ダイヤモンド社

『「華麗なる一族」から学ぶ相続の基礎知識』ミステリー小説で相続が早わかり

『「華麗なる一族」から学ぶ相続の基礎知識』
ミステリー小説で相続が早わかり

相続税専門
税理士法人チェスター(著)
出版社:亜紀書房

税理士が本当に知りたい相続相談頻出ケーススタディQ&A 1,000件を超える相談実績から“よくある事例”を厳選。

『税理士が本当に知りたい相続相談頻出ケーススタディQ&A』
1,000件を超える相談実績から“よくある事例”を厳選。

相続税専門
税理士法人チェスター(著)
出版社:清文社

  • 無料進呈 相続税申告必要資料準備ガイド
  • 税理士法人チェスター物語
  • 取材・セミナー履歴

    今まで当社がお手伝いさせていただいた新聞・雑誌の記事執筆、テレビ・CM出演、セミナーのご依頼等の履歴のページです。

  • お客様の声

    今まで当社がお手伝いさせていただいたお客様の中から、アンケートを一部ご紹介させていただきます。

  • 選ばれるチェスターの品質
  • れお君の相続徒然日記
  • 税理士 伊原慶のブログ
  • ビジョナリーバナー画像
  • Googleインドアビュー事務所内見学