贈与税額の端数処理
贈与税を申告するにあたっては、当然正しい計算が求められます。ただ、細かく計算すればそれで良い、というわけではなく、贈与税を計算する上で決まっている計算方法に則って正しく計算しなければいけません。もし正しく計算できていなければ、修正申告などをしなければいけませんし、延滞税を取られてしまうこともあります。そんなことを防ぐためにも、しっかりと理解した上で申告を行いましょう。
ここでは、相続税法基本通達第21条で定められている「贈与税額の端数処理」について、詳しく解説します。もちろん、贈与税を計算する上でいくつかの計算を行いますので、端数処理にもその場合によって違う処理が規定されています。注意しなければいけません。
贈与税額の端数処理の種類
相続税法基本通達の中で規定されている贈与税額の端数処理にはその計算タイミングによって2つの規定が定義されています。それらを順に解説していきましょう。
贈与税の課税価格の端数処理
多くの場合、税金は対象となる金額の全額に対して課されるのではなく、控除などで減額された残りの金額に対して課されます。この残りの金額のことを課税価格と呼びます。相続税法基本通達第21条の2-5ではその「贈与税の課税価格」を計算する上での端数処理の方法が定められています。
具体的には、贈与された金額から基礎控除や配偶者控除などを差し引いた後の金額によって、課税価格は以下のようになります。
・1,000円以上だった場合、1,000円未満を切り捨てた金額が課税価格になる
・1,000円未満だった場合、課税価格はゼロになります。
つまり、贈与税を計算する金額は、常に1,000円未満が切り捨てられているわけです。
贈与税額の端数処理
贈与税の課税価格が決まったところで、その金額に税率をかけたものが納めるべき贈与税額になります。相続税法基本通達第21条の7-1ではその「贈与税の課税価格」を計算する上での端数処理の方法が定められています。
先ほどと同様に説明すると、課税価格に対して、課税価格によって決まった税率をかけた後の金額によって、贈与税は以下のようになります。
・100円以上だった場合、100円未満を切り捨てた金額が贈与税額になります。
・100円未満だった場合、贈与税額はゼロになります。
贈与税額の端数処理
以上のように、贈与税額を計算するにあたっては、「課税価格を算出するときの1,000円未満切り捨て」と「贈与税額を算出するときの100円未満切り捨て」の2度の切り捨てが発生します。
この点を理解しておけば、1円単位の細かな計算が省かれ、計算ミスを起こすこともなく、贈与税の算出ができるのではないでしょうか。
【参考】
国税庁 相続税法基本通達21の2-5(贈与税の課税価格の端数処理)
国税庁 相続税法基本通達21の7-1(贈与税額の端数処理)
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