共働きの夫婦が住宅を買ったとき

住宅の購入は非常に高額なこともあり、夫婦共働きをして合わせた収入で購入するケースは少なくありません。そんなとき、住宅の登記はどうするべきでしょうか? また、妻に収入がないにもかかわらず、登記上半分が妻の名義になっている場合、なにか不都合があるのでしょうか?

これらの疑問を曖昧なまま進めてしまうと思わぬ納税義務が発生することになりますので、しっかりと理解しておかなければいけません。詳しく解説します。

共働きの夫婦が住宅を買ったとき

贈与税というのは、無償で財産を移譲した場合に発生するものです。つまり、住宅購入資金の拠出割合と所有権登記の持分割合の違いによっては、贈与税の対象となる場合があるのです。詳しく説明します。

(1)共働きの夫婦でお金を出し合って住宅を購入した場合

仮に夫7:妻3の割合でお金を出し合って住宅を購入した場合を考えます。

・所有権登記の持分割合が夫10:妻0の場合
この場合、夫は70%しか負担していないにもかかわらず、100%の所有権を持っていることになるため、妻の負担分30%の金額が妻から夫に贈与されたとみなされます。

具体的に説明すると、上記と同じ割合で3,000万円の住宅を購入した場合、夫は2,100万円、妻は900万円負担したことになります。それにもかかわらず所有権が夫だけになっている場合は、妻から夫へ900万円の贈与があったとみなされるのです。

・所有権登記の持分割合が夫5:妻5の場合
妻は30%しか負担していないにもかかわらず50%の所有権を持っていることになるため、夫から妻へ20%分の金額の贈与があったとみなされます。

上記と同様に3,000万円の住宅購入をして所有権を夫5:妻5にした場合、妻は900万円しか負担していませんが、1,500万円相当の所有権を持つことになります。同様に夫は2,100万円負担しているにもかかわらず1,500万円相当の所有権しかありません。そのため、夫から妻へ600万円の贈与があったとみなされるのです。

・所有権登記の持分割合が夫7:妻3の場合
住宅購入資金の拠出割合と所有権の割合が同じになるため、贈与税の問題は発生しません。

(2)共働きの夫婦が連帯債務の住宅ローンを組んで住宅を購入した場合

特に割合が決まっていない連帯債務での住宅購入の場合は、どうなるでしょうか? ポイントは夫と妻の所得の割合です。

・所有権登記の持分割合が夫10:妻0の場合
夫が所有権を100%持っているので、妻の負担分については贈与されたとみなされます。そのため、その年のローンの支払総額に、妻の所得が夫婦の所得の合計に占める割合を掛けた金額だけ、妻から夫へ贈与されたとみなされます。

例えば、夫の収入が700万円、妻の収入が300万円で、ローンの支払総額が400万円だった場合は、以下の金額が妻から夫へ贈与されたとみなされることになります。

400万円 × 300万円 ÷(700万円 + 300万円)= 120万円

・所有権登記の持分割合が夫5:妻5の場合
夫婦の収入が同額だった場合は問題ありませんが、収入が違っている場合は、拠出割合が違っているとみなされるため、その差分の金額が贈与されたとみなされます。

同様に収入が夫700万円、妻300万円で、ローンの支払総額が400万円だった場合、連帯債務では収入の割合と同じだけ支払っているとみなすため、夫280万円、妻120万円支払ってることになります。しかし所有権は夫5:妻5であるため、そこから算出すると夫婦で200万円ずつ支払わなければならないことになります。そのため、その差額である80万円を夫から妻へ贈与したとみなされるのです。

・所有権登記の持分割合が夫妻の所得の割合と同じ場合
住宅購入資金の拠出割合と所有権の割合が同じになるため、贈与税の問題は発生しません。

【参考】
国税庁 タックスアンサー No.4411 共働きの夫婦が住宅を買ったとき
国税庁 タックスアンサー No.4411 共働きの夫婦が住宅を買ったとき(Q&A)

チェスター相続クラブ

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