民法上の組合からの贈与

個人がある資産を取得したとして、その資産に課税されるのは、贈与税と相続税、所得税のうち、どの税金になるのでしょうか? もちろん、時と場合によって細かな違いはあるとしても、基本的にどの税金が該当するかを知っておかなければ、思わぬ大きな金額の納税義務が課せられてしまうことがあります。

個人が資産を取得した場合に課せられる税金について整理しておきましょう。

1.課税される税金の種類

個人が資産を取得する場合に課せられる税金が何にあたるかを考えるとき、どこからその資産を取得するかがポイントになります。紹介していきましょう。

(1)法人から個人への贈与

譲り渡す側が法人だった場合、譲り受けた人に課せられるのは、贈与税や相続税ではなく、「所得税」になります。具体的には、懸賞や給料などを考えれば理解しやすいでしょう。

(2)個人からの譲渡

個人から個人への贈与の場合は、譲り渡す人の生死を考慮する必要があります。

もし譲り渡す人が亡くなっているのであれば、それは「相続税」の課税対象となります。仮に亡くなることが前提での贈与でなかったとしても、相続税が課せられることになります(正確には、亡くなる3年前以降の贈与は相続税の対象となります)。

逆に譲り渡す側の人が生きている場合、その財産には「贈与税」がかかるのです。

なお、贈与税は、被相続人が死ぬ前に財産を贈与しておくことで相続税を免れようとする租税回避を防ぐ目的で設けられている性質が強いものです。そのため、相続税に比べて高い税率になっています。

2.民法上の組合からの贈与

個人へ財産を贈与するのは、実は個人や法人だけではありません。「民法上の組合」からも贈与される場合があるのです。この場合は、どのような税金が課せられるのでしょうか?

(1)民法上の組合とは

そもそも、「民法上の組合」というのは、民法第667条に規定されている「任意組合」や「NK」と呼ばれているものです。複数の当事者が出資して、共同事業を営むことを約すること(組合契約)によって成立します。

たとえば数人の個人が集まって商売をするなど、何らかの目的のために当事者同士が出資しあい、その出資比率に従って利益を得るような集団であり、法人格を持つまでに至らない共同体を指します。

(2)民法上の組合からの贈与

上記のように、民法上の組合(任意組合)は法人ではありません。そのため、民法上の組合からの贈与は、個人から個人への贈与と同様に「贈与税」がかかることになります。

なお、ここで譲り受けた財産は任意組合を構成する組合員から、その出資比率に従って贈与されたと解釈されます。ただし、贈与税の基礎控除については、1年間(1月1日から12月31日)の贈与額の合計に対して適用されますので、この解釈は意味を持ちません。気をつけましょう。

【参考】
国税庁 相続税法基本通達21の2-2(民法上の組合からの贈与)

チェスター相続クラブ

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