贈与と遺贈の減殺の順序
遺留分減殺請求がされた場合、贈与や遺贈はどの順序で減らされるのか
人が亡くなって遺言が残されている場合、多くはその遺言に従って相続や遺贈・贈与がなされます。それによって、相続人の一部が相続できなくなったり、相続分が極端に少なくなることもあります。民法は、そのような場合に相続分が少なくなった相続人に対し「遺留分」というものを認めています。一定の割合で最低限相続する権利を保障しているのです。
遺留分は、相続人が直系尊属のみなら3分の1、その他の場合であれば2分の1になります。ただし、兄弟姉妹には遺留分はありません。その分を、相続人は遺贈などを受けた相手に対して請求することができます。
どのような順序で減殺されるかは定められていて、相続人が任意に決めることはできないことになっています。
まずはじめに遺贈が減殺されます。遺贈がいくつかある場合は、すべての遺贈について同じ割合で減殺請求されることになります。遺言に別段の意思表示がされていれば、その意思表示に従った順序で減殺することになります。
遺留分の算定には、死亡時の財産だけではなく、相続開始前一年以内にされた贈与も含みます。
そのため、遺贈の次に贈与が減殺される可能性があります。その場合、贈与はより新しいほうから順に減殺されることになっています。
遺留分減殺請求の方法としては、相手に伝わればどのような方法でもよいですが、書面、特に内容証明などで相手に通知しておくと、後で争いになった時に証拠となるため好ましいでしょう。
(贈与と遺贈の減殺の順序)
第1033条
贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない。
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