贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合

ある人が財産を譲った時、譲られた人には納税義務が生まれます。個人間であれば「贈与税」、親子などで譲った人が亡くなったことによる譲渡(遺贈)であれば「相続税」、法人と個人の間であれば「所得税」がそれぞれ課せられるのです。

無償での譲渡であれば、それが贈与や遺贈にあたるというのは分かりやすいでしょう。しかし、そこに対価が発生した場合は、どうなるのでしょうか?
また、財産を譲渡するのではなく、代わりに借金を返した場合や、弁済した場合は、どう扱われるのでしょうか?

贈与や遺贈によって取得したとみなされる場合

対価のある譲渡や債務を肩代わりした場合などでも、課税対象になる場合がありますので、それぞれ説明しましょう。

(1)対価のある譲渡

財産を譲り受ける代わりに対価(金銭)を払うことは、一般的には売買となり、贈与税の課税対象ではなくなります。もちろん、売った人に所得税がかかりますが、金額が少なければ納税額も抑えられますし、そうでなくても贈与税に比べれば非常に低い納税額になるのが一般的です。

しかし相続税法ではそんな租税回避を防ぐため、「時価に比べて著しく低い金額を対価とした場合、支払った金額と時価との差額を贈与したとみなす」と第7条に規定されているのです。

なお、2つ以上の財産を同様に譲渡した場合はその合計金額で計算されることになっていますので、注意が必要です。たとえば、個々には価値がなくてもすべて揃うことで価値の上がるもの(コレクターズアイテムなど)の場合などは、それらを個別に少額で譲り受けたとしても、支払った対価の合計とその財産が揃った場合の価額の差額が贈与税の対象となることになります。

つまり、形だけ売ったふりをしたところで、贈与に変わりはないということです。

(2)債務の肩代わりや弁済した場合

ある人が持っている借金を肩代わりした場合、肩代わりしてもらった人は、対価を払うことなく返済義務から逃れることができたことになります。仮に肩代わりでなく弁済してもらった場合でも、弁済してもらわなかった場合に払うべき利息分の負担が減るなどの利益を得ることになります。

これらについても「贈与とみなす」と相続税法第8条に規定されています。贈与とみなされるわけですから、贈与税から逃れるすべはありません。

なお、上記2点に共通して、譲渡される人の経済状況による例外があることには、留意しなければいけません。
(1)、(2)ともに、譲渡される人が多額の債務を抱えており、返済のめどが全くない場合(破産手続きの一歩手前程度)には、返済不可能な金額分については、相続税法第7条および第8条は適用されません。

【参考】
国税庁 相続税法基本通達 第7条

チェスター相続クラブ

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