文化財建造物である建物の相続税評価

相続した財産が不動産の場合、固定資産税や時価、路線価などをもとに財産評価額を算出し、そこから相続税を算出します。もちろん、地価の高い土地や高級建築物件などであれば評価額は上がりますので、相続税額も上がることになるでしょう。

このとき、土地や建物の価格だけであれば、利便性や形、地区年数などがポイントとなって評価され、相続税額が決まることになります。

では、たとえば、歴史的に価値のある建造物や、著名人が利用した文化的な価値があるものなど、実際の建物自体の価値以上に価値がある建造物の場合、その評価額や相続税額はどうなるのでしょうか?

1.文化財建造物

建物や土地などに歴史的な価値や文化的な価値があるとき、それらは文化財保護法や文化財保護条例で、「重要文化財」「伝統的建造物」といった指定や、「登録有形文化財」として登録される場合があります。

「重要文化財」 ………… 美術品や建築物、考古学的資料などのうち、特に歴史的価値、芸術的価値の高いと国が指定したもの
「登録有形文化財」 …… 文化財登録制度で登録された歴史的、文化的な価値の高いもの
「伝統的建造物」 ……… 市町村が都市計画や条例などで指定した「伝統的建造物群保存地区」を形成する建造物

これら「文化財建造物」の所有者にはその建造物の管理義務が生じ、現状変更や譲渡、所有者の変更などを行う場合は届け出が必要になっています。

2.文化財建造物である建物の相続税評価

相続財産の中に、上記のような文化財建造物があった場合、その建物は相続税法上どう評価されるのでしょうか?

文化財建造物は、当然、普通の建物よりも価値が高いと考えるのが一般的でしょう。しかしそうなると、相続税額も上がることになります。ただでさえ、文化財保護法などで制限や義務を負わされているのに、税金まで高くなるのは、明らかに公平性に欠けると言えるかもしれません。

そのため、文化財建造物の相続時の評価については、一般的な相続税評価とは違った特例が用いられるのです。

文化財建造物である家屋の敷地の用に供されている宅地の評価

住居として利用されている文化財建造物を相続した場合、その評価額は次のようにして算出することになっています。

1.文化財建造物ではないとして、財産評価する
2.文化財建造物の種類に応じて定める次の割合を乗じる

「重要文化財」 ………… 0.7
「登録有形文化財」 …… 0.3
「伝統的建造物」 ……… 0.3

つまり、文化財建造物の場合は、相続税が一定の割合控除されるわけです。これによって所有者の負荷が下がりますので、文化財を保護することにつながることでしょう。

なお、文化財建造物の敷地外の山や山林などでも、文化財建造物と一体となって価値を形成している土地がある(借景など)場合、その土地についても同等の評価を行うことになっています。

【参考】
国税庁 財産評価基本通達24-8(文化財建造物である家屋の敷地の用に供されている宅地の評価)

チェスター相続クラブ

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