受取配当金収受割合が負数となる場合の計算方法

株式保有特定会社の株式の相続税評価を、類似業種比準方式と純資産価額評価方式を併用して行う場合には、受取配当金収受割合の計算が必要になります。そして、その際に、直前期以前2年間の営業損失が、同期間の受取配当金額を超える場合には、どのような取り扱いがなされるのでしょうか。以下で解説します。

受取配当金が負数となる場合の計算方法とは

株式保有特定会社の株式の相続税評価は、類似業種比準方式で評価した特定会社の保有株式の価額(S2)を計算し、次に、当該特定会社の純資産額からS2の金額を控除した価額を用いて、純資産価額評価方式で当該特定会社の株式を評価した価額(S1)を計算し、最後に、双方の価額の和(S1+S2)を合計する方法で行うことが可能です。

ちなみに、上記のS1をより正確に表現すると、株式保有特定会社が有する株式と当該株式による受取金収入がなかったとした場合に成立する同社の純資産価額評価方式で評価した株式評価額となります。

さて、この方法で相続税評価を行う場合には、S1の金額を計算する必要がありますが、その際、株式保有特定会社の純資産額からS2を控除した影響を修正する必要があります。

この修正は、S2の評価額に、当該会社の直前期末以前2年間の受取配当金の合計額を、当該会社の直前期末以前2年間の受取配当金の合計額と同じく直前期末以前2年間の営業利益の合計額の和で除した比率(受取配当金収受割合)を乗じた価額を、当該会社の純資産額から控除することで行います。

さて、ある質問者から、上記の修正を行う際に、直前期末以前2年間の営業損失が同期間の受取配当金の金額を上回り、受取配当金収受割合を表示する数式の分母がマイナス(負数)になる場合には、受取配当金収受割合は1になるのか0になるのか、という照会が国税庁に対してなされました。

これに対して、国税庁では、当該ケースでは、受取配当金収受割合は0になると回答しました。

この質問者からの照会及びそれに対する国税庁の回答が、国税庁の質疑応答「受取配当金等収受割合が負数となる場合の計算方法」となります。

株式保有特定会社が保有する株式の相続税評価について

株式保有特定会社とは、非上場株式会社のうち、保有している資産の大部分(会社の規模に応じて資産総額に占める株式評価額の割合が25%以上又は50%以上)が株式等で占められている特殊な会社のことをいいます。

さて、この株式保有特定会社が保有する株式の相続税評価を、上場会社の株式に比準して行う類似業種比準価格方式を適用して行うことは適切ではありません。

それは、類似業種価格比準方式では、評価対象株式の保有会社が株式保有特定会社であるという特殊性が反映されないからです。

従って、株式保有特定会社の保有する株式の相続税評価は、その資産価値をもっとも正確に反映しうる純資産方式によって行うことが原則です。

ただし、納税者の選択によって、上記の質疑応答において出てくるような、類似業種価格比準方式と純資産評価方式を組み合わせた方法で、その相続税評価を行うことも可能です。

チェスター相続クラブ

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