土地の上に存する権利が競合する場合の原野の相続税評価

区分地上権、区分地上権に準ずる地役権、賃借権、地上権のうちの、二つの権利が同時に存在する一つの原野を相続又は遺贈によって取得した場合には、当該原野の相続税評価が必要になります。では、その評価はどのような方法で行うのでしょうか。以下で解説します。

土地の上に存する権利が競合する場合の原野の相続税評価

相続税評価の基本を定めた財産評価基本通達(以下「評価通達」といいます)第2章第5節(59-2)では、一つの土地(原野)上に二つの権利が同時に存在する場合の当該原野の相続税評価の方法が規定されています。

当該規定で定める評価の方法は、以下の三つの部分によって構成されています。
(1)一つの原野に賃借権又は地上権及び区分地上権が設定されている場合
(2)一つの原野に区分地上権及び区分地上権に準ずる地役権が設定されている場合
(3)一つの原野に賃借権又は地上権及び地上権に準ずる地役権が設定されている場合

以下では、上記の各ケースについて、それぞれ解説します。

賃借権又は地上権及び区分地上権が設定されている場合

一つの原野が、賃借権又は地上権及び区分地上権の目的となっている場合の当該原野の相続税評価額は、当該原野の自用地価額(当該原野に設定されている権利がないとした場合に成立する価額)から、評価通達で規定されている方法で評価した区分地上権の価額と、同じく評価通達で規定されている区分地上権と権利が競合する場合の賃借権又は地上権の評価額の和を控除した金額となります。

ここで、評価通達で定める区分地上権の価額とは、区分地上権が設定されている原野の自用地価額に、区分地上権設定契約に定める土地利用制限率を基とした割合(区分地上権割合)を乗じた価額となります。

また、区分地上権と権利が競合する場合の賃借権又は地上権の評価額は、まず、設定されている権利が賃借権の場合には、原則として、賃借権が設定されている原野の自用地評価額に50/100を乗じた価額に、1から原野自用地評価額に上記の区分地上権の評価額が占める割合を控除した数値を乗じた価額となります。

一方、設定されている権利が地上権の場合には、当該原野の自用地価額に、課税時点における当該地上権の存続期間に応じて定まる相続税法第23条で規定する割合を乗じた価額に、1から原野自用地評価額に上記の区分地上権の評価額が占める割合を控除した数値を乗じた価額となります。

区分地上権及び区分地上権に準ずる地役権が設定されている場合

一つの原野が、区分地上権及び区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地となっている場合の当該原野の相続税評価額は、当該原野の自用地価額から、評価通達で規定されている方法で評価した区分地上権の価額と、同じく評価通達で規定されている区分地上権に準ずる地役権の評価額の和を控除した金額となります。

ここで、評価通達で規定されている区分地上権に準ずる地役権の評価額とは、区分地上権が設定されている原野の自用地価額に、区分地上権に準ずる地役権の設定契約に定める土地利用制限率を基とした割合(区分地上権に準ずる地役権の割合)を乗じた価額となります。

賃借権又は地上権及び地上権に準ずる地役権が設定されている場合

一つの原野が、賃借権又は地上権及び区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地となっている場合の当該原野の相続税評価額は、当該原野の自用地価額から、評価通達で規定されている方法で評価した区分地上権に準ずる地役権の評価額と、同じく評価通達で規定されている区分地上権に準ずる地役権と権利が競合する場合の賃借権又は地上権の評価額の和を控除した金額となります。

ここで、評価通達で規定されている区分地上権に準ずる地役権の評価額とは、区分地上権が設定されている原野の自用地価額に、区分地上権に準ずる地役権の設定契約に定める土地利用制限率を基とした割合(区分地上権に準ずる地役権の割合)を乗じた価額となります。

また、区分地上権に準ずる地役権と権利が競合する場合の賃借権又は地上権の評価額は、まず、設定されている権利が賃借権の場合には、原則として、賃借権が設定されている原野の自用地評価額に50/100を乗じた価額に、1から原野自用地評価額に上記の区分地上権に準ずる地役権の評価額が占める割合を控除した数値を乗じた価額となります。

一方、設定されている権利が地上権の場合には、当該原野の自用地価額に、課税時点における当該地上権の存続期間に応じて定まる相続税法第23条で規定する割合を乗じた価額に、1から原野自用地評価額に上記の区分地上権に準ずる地役権の評価額が占める割合を控除した数値を乗じた価額となります。

チェスター相続クラブ

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