分収林契約に基づき設定された地上権等の相続税評価

分収林とは農林水産省にて定義されている用語で、「土地の所有者」と「植林及び保育業務を行う者」の2者間、もしくは2者に加えて「植林及び保育業務を行うための費用負担を行う者」の3者間で契約を結び、植林・保育事業を行った上で、伐採時に得られる収益を当初契約どおりに分配するための山林のことを指します。
国有林野法(昭和26年法律第246号)によれば、土地の所有者が国(林野庁)である国有林の場合は「契約により、国以外の者が造林し、その収益を国及び造林者で分収する森林」に該当する「分収造林」と、「国有林野の生育途上の若齢人工林について国以外の者が育林費の一部を負担し、その収益を国及び当該負担者が分収する森林」に該当する「分収育林」が定義されています。
土地の所有者が各自治体である場合や、民間人である場合の民間林の場合も、国有林に準じた形での「分収造林」と「分収育林」とが定義されています。

分収林契約に基づき設定された地上権等の評価

税制上で分収林契約に基づき設定された地上権等の評価を行う場合、従来の山林に関する地上権や賃借権の評価価額を算出した上で、この「分収林契約に基づいた造林または育林の費用担当者の分収割合を掛け算した」価額を、評価価額とします。
この場合、地上権や賃借権の評価価額を算出する際には【財産評価総則基本通達第2章54-2】(土地の上に存する権利が競合する場合の賃借権又は地上権の評価)にはかかわらず地上権や賃借権の評価を行います。

【財産評価総則基本通達第2章55】(分収林契約に基づき設定された地上権等の評価)
分収林契約に基づき設定された地上権又は賃借権の価額は、相続税法第23条≪地上権及び永小作権の評価≫若しくは地価税法第24条≪地上権及び永小作権の評価≫の規定又は53≪残存期間の不確定な地上権の評価≫、54≪賃借権の評価≫若しくは前項の定めにかかわらず、これらの定めにより評価したその地上権又は賃借権の価額にその分収林契約に基づき定められた造林又は育林を行う者に係る分収割合を乗じて計算した価額によって評価する。(平3課評2-4外改正)

【財産評価総則基本通達第2章53】(残存期間の不確定な地上権の評価)
立木一代限りとして設定された地上権などのように残存期間の不確定な地上権の価額は、課税時期の現況により、立木の伐採に至るまでの期間をその残存期間として相続税法第23条≪地上権及び永小作権の評価≫又は地価税法第24条≪地上権及び永小作権の評価≫の規定によって評価する。(平3課評2-4外改正)

【財産評価総則基本通達第2章54】(賃借権の評価)
賃借権の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。(昭45直資3-13・平3課評2-4外改正)
(1) 純山林に係る賃借権の価額は、その賃借権の残存期間に応じ、相続税法第23条≪地上権及び永小作権の評価≫又は地価税法第24条≪地上権及び永小作権の評価≫の規定を準用して評価する。この場合において、契約に係る賃借権の残存期間がその権利の目的となっている山林の上に存する立木の現況に照らし更新されることが明らかであると認める場合においては、その契約に係る賃借権の残存期間に更新によって延長されると認められる期間を加算した期間をもってその賃借権の残存期間とする。
(2) 中間山林に係る賃借権の価額は、賃貸借契約の内容、利用状況等に応じ、(1)又は(3)の定めにより求めた価額によって評価する。
(3) 市街地山林に係る賃借権の価額は、その山林の付近にある宅地に係る借地権の価額等を参酌して求めた価額によって評価する。

【財産評価総則基本通達第2章54-2】(土地の上に存する権利が競合する場合の賃借権又は地上権の評価)
土地の上に存する権利が競合する場合の賃借権又は地上権の価額は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次の算式により計算した金額によって評価する。(平3課評2-4外追加)
(1) 賃借権又は地上権及び区分地上権が設定されている場合の賃借権又は地上権の価額
(2) 区分地上権に準ずる地役権が設定されている承役地に賃借権又は地上権が設定されている場合の賃借権又は地上権の価額

【相続税法第3章23条】(地上権及び永小作権の評価)
第23条 地上権(借地借家法(平成3年法律第90号)に規定する借地権又は民法第269条の2第1項(地下又は空間を目的とする地上権)の地上権に該当するものを除く。以下同じ。)及び永小作権の価額は、その残存期間に応じ、その目的となつている土地のこれらの権利を取得した時におけるこれらの権利が設定されていない場合の時価に、次に定める割合を乗じて算出した金額による。
残存期間が10年以下のもの 100分の5
残存期間が10年を超え15年以下のもの 100分の10
残存期間が15年を超え20年以下のもの 100分の20
残存期間が20年を超え25年以下のもの 100分の30
残存期間が25年を超え30年以下のもの及び地上権で存続期間の定めのないもの 100分の40
残存期間が30年を超え35年以下のもの 100分の50
残存期間が35年を超え40年以下のもの 100分の60
残存期間が40年を超え45年以下のもの 100分の70
残存期間が45年を超え50年以下のもの 100分の80
残存期間が50年を超えるもの 100分の90

チェスター相続クラブ

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