医療法人の出資の相続税評価

医療法人とは

医療法人は、医療法上剰余金の配当が禁止されているなど、会社法上の会社とは異なる特色を有しています。
このような医療法人の出資を類似業種比準方式により評価するとした場合、類似する業種目が見当たらないことから、業種目を「その他の産業」として評価することになります。
なお、取引相場のない株式(出資)を評価する場合の会社規模区分(大、中、小会社の区分)については、医療法人そのものはあくまで「サービス業」の一種と考えられることから、「小売・サービス業」に該当することになります。
財団医療法人や、持分について定めていない医療法人などは、「出資持分」という概念がありません。ですから、この出資については評価しないことになっています。
一方、持分について定めのある社団医療法人(経過措置型医療法人)は、出資持分のある理事長や院長が相続することになった場合に、その出資持分を評価して相続税が課税されます。この課税対象になる出資持分は、その医療法人の規模に応じて、類似業種比準価額方式か純資産方式、または両方式を併用した方法で評価します。
医療法人は、社員が出資することは強制されていませんから、出資している社員としていない社員とがいます。しかし、社員は出資している、いないに関わらず、議決権を持っています。
そのため、出資の評価の際には、配当還元方式が適用されないことに注意が必要です。

医療法人の出資

また、出資と議決権は関連がないので、議決権割合は考慮する必要はありません。
特定の評価会社の株式の比準要素数1の会社の株式に相当する医療法人に対する出資は、評価会社の1株当たりの配当金額等の計算のよって計算され1株当たりの利益金額または1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)の金額のうち、いずれかが0であり、なおかつ、直前々期末を基準にして定めに準じそれぞれの金額を計算した場合に、それぞれの金額のうち、いずれか1以上が0である評価対象の医療法人の出資となります。

【財産評価基本通達】(特定の評価会社の株式)
(医療法人の出資の評価)
194-2 医療法人に対する出資の価額は、178≪取引相場のない株式の評価上の区分≫の本文、179≪取引相場のない株式の評価の原則≫から181≪類似業種≫本文まで、182≪類似業種の株価≫から183-2≪類似業種の1株当たりの配当金額等の計算≫まで、184≪類似業種比準価額の修正≫の(2)、185≪純資産価額≫の本文、186≪純資産価額計算上の負債≫から186-3≪評価会社が有する株式等の純資産価額の計算≫まで、187≪株式の割当てを受ける権利等の発生している株式の価額の修正≫の(2)、189≪特定の評価会社の株式≫、189-2≪比準要素数1の会社の株式の評価≫から189-4≪土地保有特定会社の株式又は開業後3年未満の会社等の株式の評価≫(185≪純資産価額≫のただし書の定め及び188-2≪同族株主以外の株主等が取得した株式の評価≫の定めを適用する部分を除く。)まで及び189-5≪開業前又は休業中の会社の株式の評価≫から192≪株式無償交付期待権の評価≫までの定めに準じて計算した価額によって評価する。この場合において、181≪類似業種≫の「評価会社の事業が該当する業種目」は同項の定めにより別に定める業種目のうちの「その他の産業」とし、189≪特定の評価会社の株式≫の(1)の「比準要素数1の会社の株式」に相当する医療法人に対する出資は、183≪評価会社の1株当たりの配当金額等の計算≫の(2)又は(3)に定める「1株当たりの利益金額」又は「1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」のそれぞれ金額のうち、いずれかが0であり、かつ、直前々期末を基準にして同項の定めに準じそれぞれの金額を計算した場合に、それぞれの金額のうち、いずれか1以上が0である評価対象の医療法人の出資をいい、180≪類似業種比準価額≫及び189-3≪株式保有特定会社の株式の評価≫の(1)のイに定める算式は、それぞれ次の算式による。(昭59直評7外追加、平2直評12外・平11課評2-2外・平12課評2-4外・平18課評2-27外・平20課評2-5外改正)
(1) 180≪類似業種比準価額≫に定める算式
医療法人の出資の相続税評価

 ただし、上記算式中の「0.7」は、178≪取引相場のない株式の評価上の区分≫に定める中会社に相当する医療法人に対する出資を評価する場合には「0.6」、同項に定める小会社に相当する医療法人に対する出資を評価する場合には「0.5」とする。
(2) 189-3≪株式保有特定会社の株式の評価≫の(1)のイに定める算式
医療法人の出資の相続税評価

 ただし、上記算式中の「0.7」は、178≪取引相場のない株式の評価上の区分≫に定める中会社に相当する医療法人に対する出資を評価する場合には「0.6」、同項に定める小会社に相当する医療法人に対する出資を評価する場合には「0.5」とする。

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