貸し付けられている原野の相続税評価

貸し付けられている原野とは、その原野自体に発生している賃借権、地上権、区分地上権、区分地上権に準ずる地役権などそれぞれの権利に対する対価を得るために存在している、もしくは「賃借権と区分地上権」などの複数の権利を有して、それぞれの権利を持つ他者からその権利に対する対価を得られる原野のことを指します。各権利を他者が持っているために原野の使用に制限があり、その部分が税制上の評価に反映されます。

貸し付けられている原野の評価

税制上で貸し付けられている原野の評価は、各権利によって異なるために、ここでは全体の概要を述べます。
(1) 賃借権の目的となっている原野の場合
税制上で賃借権の目的となっている原野の評価は、まず「財産評価総則基本通達第2章58:純原野の評価」から「財産評価総則基本通達第2章58-4:広大な市街地原野の評価」に至るまでの各方式に沿った内容にて価額を算出します。その上で、「財産評価総則基本通達第2章60:原野の賃借権の評価」によって評価した賃借権の評価価額を控除した残りの価額を、税制上での賃借権の目的となって貸し付けられている原野の評価価額とします。
(2) 地上権の目的となっている原野の場合
税制上で賃借権の目的となっている原野の評価は、「財産評価総則基本通達第2章58:純原野の評価」から「財産評価総則基本通達第2章58-4:広大な市街地原野の評価」に至るまでの各方式に沿った内容にて価額を算出します。その上で、「相続税法第23条:地上権及び永小作権の評価」もしくは「地価税法代24条:地上権及び永小作権の評価」によって評価した地上権の評価価額を控除した残りの価額を、税制上での地上権の目的となって貸し付けられている原野の評価価額とします。
(3) 区分地上権の目的となっている原野の場合
税制上で区分地上権の目的となっている原野の評価は、「財産評価総則基本通達第2章58:純原野の評価」から「財産評価総則基本通達第2章58-4:広大な市街地原野の評価」に至るまでの各方式に沿った内容にて価額を算出します。その上で、「財産評価総則基本通達第2章60-2:原野の区分地上権の評価」によって評価した区分地上権の評価価額を控除した残りの価額を、税制上での区分地上権の目的となって貸し付けられている原野の評価価額とします。
(4)区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である原野の場合
税制上で区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である原野の評価は、「財産評価総則基本通達第2章58:純原野の評価」から「財産評価総則基本通達第2章58-4:広大な市街地原野の評価」に至るまでの各方式に沿った内容にて価額を算出します。その上で、その上で、「財産評価総則基本通達第2章60-3:区分地上権に準ずる地役権の評価」によって評価した区分地上権に準ずる地役権の価額の評価価額を控除した残りの価額を、税制上での区分地上権に準ずる地役権の価額の目的となって貸し付けられている原野の評価価額とします。

【財産評価総則基本通達第2章59】(貸し付けられている原野の評価)
賃借権、地上権等の目的となっている原野の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。(昭41直資3-19・平3課評2-4外改正)
(1) 賃借権の目的となっている原野の価額は、58≪純原野の評価≫から前項までの定めによって評価した原野の価額(以下この節において「自用地としての価額」という。)から、60≪原野の賃借権の評価≫の定めにより評価したその賃借権の価額を控除した金額によって評価する。
(2) 地上権の目的となっている原野の価額は、その原野の自用地としての価額から相続税法第23条≪地上権及び永小作権の評価≫又は地価税法第24条≪地上権及び永小作権の評価≫の規定により評価したその地上権の価額を控除した金額によって評価する。
(3) 区分地上権の目的となっている原野の価額は、その原野の自用地としての価額から60-2≪区分地上権の評価≫の定めにより評価したその区分地上権の価額を控除した金額によって評価する。
(4) 区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である原野の価額は、その原野の自用地としての価額から60-3≪区分地上権に準ずる地役権の評価≫の定めにより評価したその区分地上権に準ずる地役権の価額を控除した金額によって評価する。

【相続税法第3章第23条】(地上権及び永小作権の評価)
地上権(借地借家法(平成3年法律第90号)に規定する借地権又は民法第269条の2第1項(地下又は空間を目的とする地上権)の地上権に該当するものを除く。以下同じ。)及び永小作権の価額は、その残存期間に応じ、その目的となつている土地のこれらの権利を取得した時におけるこれらの権利が設定されていない場合の時価に、次に定める割合を乗じて算出した金額による。
・残存期間が10年以下のもの 100分の5
・残存期間が10年を超え15年以下のもの 100分の10
・残存期間が15年を超え20年以下のもの 100分の20
・残存期間が20年を超え25年以下のもの 100分の30
・残存期間が25年を超え30年以下のもの及び地上権で存続期間の定めのないもの 100分の40
・残存期間が30年を超え35年以下のもの 100分の50
・残存期間が35年を超え40年以下のもの 100分の60
・残存期間が40年を超え45年以下のもの 100分の70
・残存期間が45年を超え50年以下のもの 100分の80
・残存期間が50年を超えるもの 100分の90

チェスター相続クラブ

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