評価方法の定めのない財産の相続税評価方法

被相続人が死亡することによって開始される相続は、いつ開始されるのかが分からないため、相続税の納税額を計算するための時間がとても短くなってしまいます。そのため、財産をどう評価すべきかということは、被相続人が元気なときから確認しておき、いつでも評価できるようにしておいた方が無難でしょう。

財産の評価については、原則として「時価」で計算することになっており、それでは正確な評価ができないものなど特別な財産については、財産評価基本通達に規定されている方法に従います。しかし、当然ですが、ときとして規定されていないような財産を相続してしまうことがあります。そんなときは、どうやって評価するべきでしょうか?

評価方法の定めのない財産の相続税評価方法

財産評価基本通達に規定のない財産の評価方法については、財産評価基本通達の5に定められています。しかしその内容は、「規定のないものは規定に準じた方法で評価すること」という内容です。つまり、実際にそういった「規定のない財産を評価する」事態が発生した場合には、その都度よく似た財産の規定を流用するということになるのです。

評価方法の定めのない財産の例

財産評価基本通達に定めのない財産の具体的な例を挙げておきます。

・固定資産税の評価
住宅などの固定資産の財産評価は、「固定資産税評価額」を使用することになっています。そして、その評価額を知るための「固定資産税の賦課決定通知書」はその年の1月1日時点での金額が毎年4月から6月頃に交付されます。
もし新築住宅を建て、その完成と引き渡しが2月だった場合を考えましょう。この状態で、相続が4月に開始された場合、相続税の申告期限は10ヶ月後の翌年2月になります。しかし、新築住宅の「固定資産税の賦課決定通知書」は翌年1月1日時点のものがその年の4月に届きますので、相続税の申告期限に間に合わないことになるのです。
上述している通り、財産評価基本通達では固定資産税評価額を相続税の課税価額とすることになっているため、この場合は「評価方法に定めのない財産」に該当します。つまり、他の財産評価基本通達に準じた方法で評価する必要があるわけです。

なお、この場合の評価は以下のような優先順位で評価するのが一般的なようです。
・申告期限までに「固定資産税の賦課決定通知書」が交付された場合はその評価額
・付近にある類似物件の固定資産税評価額を基準として経過年数や用途などを考慮して評定した価額
・その住宅の再建築価額から経過年数に応じた償却費相当額を控除した価額の70%

・電子通貨
被相続人が、ビットコインに代表される電子通貨を保持していた場合、相続人が正しく使用することができるのであれば、それはれっきとした財産になるでしょう。しかし、財産評価基本通達にはその規定などありませんので、電子通貨も「評価方法に定めのない財産」に該当することになります。
電子通貨については正式な通貨として認められておらず、相場によって価額も上下するため、預貯金や現金と同等の評価はできません。また、有価証券のような評価をするにしても、現在は取引金融機関も存在していないため、有価証券に準じた評価は困難でしょう。
また、その他の種々のポイントやソーシャルゲームのゲーム内通貨、ゲームアカウントそのものなどについても、現実的に売買されて価値のあるものも存在します。しかし、これらは公式な売買ではありませんので、この場合は財産評価できないものになるかも知れません。

【参考】
国税庁 財産評価基本通達5(評価方法の定めのない財産の評価)

チェスター相続クラブ

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