弁済のための相続財産の換価

相続では、被相続人のすべての財産を引き継ぎます。もし、その「すべての財産」の中に借金や義務などの債務が含まれていても、引き継がなくてはいけません。この債務をなくすためには、相続放棄をするか、限定承認という手続きをとる必要があります。

相続放棄については、管轄の家庭裁判所へ申述するだけで手続きは完了となります。しかし、限定承認はそう簡単ではありません。詳しく解説していきます。

相続の限定承認

 限定承認というのは、相続した財産で債務を弁済した上で財産が残る可能性がある場合などに、相続した財産の範囲で被相続人の債務を弁済する手続きです。

 明らかに負債が大きい場合は相続放棄をしてすべてを引き継がないことにした方が良い場合が多いですが、一部でも財産を手元に残したい場合などは限定承認の手続きをしなければいけません。なお、どちらの手続きも、相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述しなければ、無条件で相続したことになりますので、気を付けなければいけません。

 また、限定承認は相続放棄していない相続人全員で行う必要がです。なお、手続きには、被相続人の住民票、被相続人も含めた全員の戸籍謄本(被相続人の子供で死亡した方がいた場合はその方のものも)が必要になっています。

(1)弁済のための相続財産の換価

 限定承認が受理された場合、限定承認者(限定承認の手続きを行った人。相続人が複数いる場合は、相続財産管理人を選任します)は、以下の手順で相続財産の精算手続きを行う必要があります。これは、民法926条から937条までに定められている手続きとなります。

1. 限定承認の申述後5日以内にすべての債権者に公告する
2. 財産を競売にかけて現金化する
3. 公告期間満了後、債権者にそれぞれの債権額の割合に応じて弁済する

 限定承認の弁済については必ず現金で行う必要があるため、不動産や貴金属など現金以外の財産については競売にかけることになります。(上記2.)

(2)競売の停止

 原則、すべての財産を競売にかけて現金化する必要がありますが、住んでいる家や仕事で使う道具、思い出の品など、どうしても手放したくない財産があった場合は、家庭裁判所へ申し出ることで、競売を止めることができます。その場合は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従った価額を弁済する必要があります。

 ただし、相続した不動産が担保に入っていた場合、抵当権者がその不動産を競売にかけてしまっている場合がありますが、その競売についてはこの手続きで止めることはできません。(競売の種類が違っているため)ご注意ください。

・参考URL
http://chester-tax.jp/dictionary/dic13_047.html
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_14/

チェスター相続クラブ

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