受遺者による担保の請求

財産を相続するとき、最初に遺言に記載されている人に対して財産を譲り渡します。しかし、遺言によっては、財産を譲り渡すための条件が設定されている場合があります。
その場合、条件が満たされるまで相続人が財産を管理することになりますが、遺言によって財産を受け取る人は、本当に財産を受け取れるかの保証を必要とするかもしれません。そんなときに遺言によって財産を受け取る人が採ることのできる権利について説明します。

1.遺言とその周辺の用語解説

 遺言に記載されている内容や遺言を受け取る人など、遺言とその周辺の法的な説明には、聞き慣れない専門用語がいくつかありますので、説明しておきましょう。

・遺言者 …………… 遺言をした人のことです。
・遺贈 ……………… 被相続人の遺言によって財産を譲り渡すことです。
・受遺者 …………… 遺贈によって財産を受け取る人(法定相続人でなくても良い)のことです。
・弁済期 …………… 債務の返済期日のことです。この場合は、遺贈を行われる期日となります。
・遺贈義務者 ……… 遺言に従って遺贈を実行する人のことです。(相続人が行います(民法第896条))
・遺言施行者 ……… 遺言に従って遺贈を実行する人で、遺言で指定されている人です。遺言執行者がいる場合、遺贈義務は遺言執行者にあります。
・停止条件付遺贈 … 一定の条件が整うまで遺言の効果がない遺贈のことです。たとえば、「孫が30歳になったら家を贈与する」という場合、「孫が30歳になる」という条件が成立するまで効果が停止されている停止条件付遺贈になります。

2.受遺者による担保の請求

 停止条件付遺贈でも、遺言者が亡くなる前に(条件が成立する)弁済期を迎える場合は、遺言者の死亡後(相続開始後)速やかに遺贈を行うことになりますので、問題になることは少ないでしょう。
しかし、遺言者が亡くなった後にもまだ条件が成立していない場合、遺言は効力を発揮することがありませんので、受遺者は弁済期まで財産を受け取ることができません。そして、弁済期までの間、その財産については遺贈義務者である相続人か遺言執行者が管理することになります。

 しかしその場合、受遺者は「本当に遺贈されるのか」「受け取る財産の価値が下がらないか」などの不安を抱える場合が少なくありません。そんな場合に、受遺者が遺贈を受ける権利を守るため、遺贈義務者や遺言執行者に対して担保を請求する「受遺者による担保の請求」が認められているのです。

 なお、求める担保の内容や種類などに制限はありませんが、もちろん遺贈される財産と同等の価値のものになるでしょう。

・参考URL
http://www.suztax.com/index.php?souzoku008

チェスター相続クラブ

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