受遺者による果実の取得

通常の相続は、被相続人の死亡により、法律で定められた法定相続人に対して財産が相続されます。しかし、もし被相続人が「遺言書」を残していた場合、その遺言書によって財産を送られる(遺贈される)人である「受遺者」が発生します。

受遺者は相続人である必要はありませんので、もし受遺者が相続人とは別にいた場合は、被相続人の財産を受け取ることができるのは、法定相続人と受遺者ということになるでしょう。(ただし受遺者が受け取れるのは遺言書に記載のある財産だけです)

 なお、受遺者は遺贈された財産から生まれる利益(果実)についても取得することができると、民法992条に定められています。受遺者と法定果実の取得について、詳しく解説していきます。

受遺者による果実の取得

まず、果実とは何かを説明しましょう。

この場合の果実というのは、実際に果物畑になるミカンやリンゴなどの天然果実と、土地の賃貸料や銀行預金の利子など、その財産を持っていることによって入ってくる利益のことを指します。そして、後者の利益についてを、「法定果実」というのです。

 これらの果実について、遺言の内容によって受遺者が受け取るタイミングが違っており、注意点などがありますので、それぞれ説明します。

(1)受遺者がすぐに財産を受け取れる場合

 原則的なパターンで、遺言書になんの特別な記載もなかった場合です。

遺言書を作成した人(遺言者)が亡くなった時点で、遺言書に記載されている事項が履行され、遺贈が行われます。そして、遺贈が行われた時点で受遺者は果実を取得する権利も有することになります。

 もし何らかの理由で遺贈がすぐに行われなかった場合、遺贈される財産を管理していた人が果実を受け取っていたとしても、受遺者に財産が遺贈される時点で、遺言者の死亡した時点から遺贈するまでの間に受け取っていた果実も合わせて、受遺者に遺贈しなければいけません。

(2)受遺者がすぐに財産を取得できない場合

 遺言書に条件が記載されていた場合、その条件に従って遺贈が行われます。例えば、「結婚したら土地を渡す」といった条件の場合は、受遺者が結婚するまで遺贈が行われることはありませんし、受遺者が果実を取得することもできません。

そのため、条件が成立するまでは遺贈を行う人(遺贈義務者)がその財産を管理することになります。もし、この管理している間(遺言者の死亡から遺贈されるまでの間)に、その財産を維持するための費用が発生した場合、その費用については、果実の価格の範囲まで、受遺者に請求することができます。つまり、財産の遺贈を行うときに、遺贈が発生するまでの間に遺贈義務者が得た果実についても遺贈する必要がありますが、必要経費を引いた金額を遺贈することになるわけです。
(この管理費用はそもそも果実を得るために必要なものである、という解釈です)

・参考URL
http://chester-tax.jp/dictionary/dic13_107.html

チェスター相続クラブ

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