遺贈義務者による費用の償還請求

遺贈義務者による費用の償還請求と必要費及び有益費

遺贈義務者が遺贈の目的物に費用を支出した場合は、受遺者は必要費及び有益費を償還しなければなりません。
なわち、まず遺贈義務者が遺贈の目的物に必要費を支出した場合は、受遺者にその償還をさせることができます。次に遺贈義務者が遺贈の目的物に有益費を支出した場合には、これによる価格の増加が現存する場合に限り、受遺者の選択に従い、その支出した金額又は増加額を償還させることができます。
ただし裁判所は受遺者の請求により、その償還について相当の期限を付与することができます。必要費とは例えば不動産の修繕費等を指し、有益費とは物の保存のために必要ではないが、物を改良し、物の価値を増加させる費用のことをいいます。
有益費の例としては時計に夜光塗料をぬり、建物に造作を施した場合の費用等を指します。時計に個人的な趣向で改造を施したり、建物に個性的な改造を施しても物そのものの価値を増加させることにはならないため、有益費にはあたらず、償還請求することはできません。
遺贈義務者による費用の償還請求で注意すべきなのは、果実を収取するための通常の必要費は果実の価格を超えない限度で償還請求をする必要があります。
通常の必要費とは例えば不動産の修繕費のうち、大修繕費を含めることはできず、普通の応急的な小修繕費だけを意味します。その範囲は通常の経営方法において物の収益、すなわち果実で支弁できるということを基準にして、目的に従って判断する必要があります。

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