第三者の権利の目的である財産の遺贈

遺贈された財産に他の人の権利がついていた場合

遺言によって、財産を第三者に与える場合を「遺贈」といいます。財産を与えるだけだから問題は起きにくいと思われがちですが、意外な問題が起こることがあります。遺贈された財産に、他の人の権利がついている場合です。
他の人の権利とは、例えば抵当権、借地権、地役権などがあります。そのような権利がついている場合、基本的にはそのままの形で遺贈されることになります。
民法1000条で規定されているように、遺贈された側の人は、相続人などの遺贈する義務のある人に対して、そのような借地権などを消すことを請求できないのです。不動産なら、借地権等のついたそのままの形で受け取ることになります。それを相続人に借地権がない状態にすることを求めることはできないということです。
もちろん、遺言書にその借地権などを相続人が処理したうえで受遺者(遺贈を受ける人)に渡すように特別な記載があった場合にはそれに従い、相続人は必要な処分をしてから受遺者に渡すことを求められます。特に処分法に考えがある場合は、遺言書に記載しておきましょう。
例外として、抵当権などの担保物権がついた不動産を遺贈された人がその抵当権を弁済した場合に、債務を肩代わりしたということで相続人に請求することは考えられます。その場合のトラブルを避けるため、他の人の権利がついているものを遺贈する際には、遺言書にその権利の処分のしかたについても記載しておくようにすべきです。

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