遺留分の算定
遺留分を算定するのに問題となるのは
遺留分を算定するのに特に問題となるのは、遺留分を主張する事を見越して、遺留分権利者が不当な不利益を被るように画策したと考えられるケースです。
そのような場合には、その画策と考えられるものに関しても算定の基礎に加味することが必要です。
これを定めているのが民法第1029条と第1030条です。
まず第1029条においては、相続が開始した時点にある財産に、贈与した財産を加えて、そこから債務の全額を引いたものを基礎として遺留分を計算することが示されています。
もし条件が付いている権利があったり、また存続する期間がよく解らないといった権利に関しては、鑑定人がついて評価をし、その価値そのものを決めます。
遺留分は遺産の価値が明確にならなければ算出できないので、不確定の権利であっても評価を鑑定しなければならないのです。
この鑑定人は家庭裁判所が選任します。
生前贈与なども加えるのは、もし贈与をすれば遺留分すら残さない、もしくは遺留分を小さくすることが可能となってしまいます。
これは遺留分権利者の権利を著しく害することとなりますので、加味されてしかるべき処置です。
第1030条において、相続開始前1年間に贈与されたものに関しては、その価額が算定の基礎に算入されることが明記されています。
またこの行為が遺留分権利者の損害を見越して行っていたという事実があれば、1年とは言わずそれ以上前にさかのぼって同様の扱いをするということも定められています。
この第1029条と第1030条によって、遺留分権利者の遺留分減殺請求権が守られています。
(遺留分の算定)
第1029条
1.遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して、これを算定する。
2.条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。
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