遺留分の計算方法

被相続人は、自分の財産を生前にどのように処分し、死亡後に誰のものにするかは自由に決めることができます。しかし、法定相続人のうち配偶者、子、子の代襲相続人、直系尊属については、相続財産を最低限取得できる割合として遺留分が定められています。これには、被相続人に生計を依存していた人に対する生活保障や、被相続人の財産形成に貢献した人への配慮という目的があります。

1.遺留分の算定基礎

遺留分を算定する基礎となる相続財産の評価は、相続開始時の財産に1年以内の贈与財産や特別受益等を加算し、債務の全額を差し引いて求めます。

相続を見越して相続開始の1年以内に生前贈与した場合などは、その金額を遺留分の算定基礎に加算します。また、遺留分を減少させる目的で行った贈与については、相続開始までの年数にかかわらず遺留分の算定基礎に加算します。

被相続人に特に高額な進学費用や住宅購入費用などを負担してもらった場合は、相続開始までの年数にかかわらず、特別受益として遺留分の算定基礎に加算します。

いずれの場合も、遺留分の算定基礎に加算するときは、相続開始時の時価に修正します。

2.遺留分の割合

遺留分の計算は、まず、算定基礎となる財産の額に一定の割合を掛けて総体的遺留分を算出します。次に、総体的遺留分を遺留分権利者の数で割って、個々人の遺留分(個別的遺留分)を算出します。遺留分権利者とは、遺留分を請求できる人のことをいいます。

● 相続人が直系尊属(父母、祖父母など)のみの場合
総体的遺留分は算定基礎となる財産の額の3分の1であり、それを遺留分権利者の数で割ったものが個々人の遺留分になります。

● 上記以外の場合(配偶者のみ、子のみ、配偶者と子、配偶者と直系尊属の場合など)
総体的遺留分は算定基礎となる財産の額の2分の1であり、それを遺留分権利者の数で割ったものが個々人の遺留分になります。被相続人の兄弟姉妹は遺留分権利者には含まれません

3.遺留分減殺請求権とは

遺留分権利者が実際に取得した財産の額が遺留分を下回る場合には、遺留分に達するまでの額を他の相続人や受遺者から取り戻す権利が与えられます。この権利を遺留分減殺請求権といいます。

遺留分減殺請求権は、相続の開始及び減殺すべき遺贈等があったことを知った日から1年以内に行使しなければ時効によって消滅します。また、相続の開始から10年を経過したときも時効によって消滅します。

4.遺留分の放棄

遺留分は、家庭裁判所の許可を受けた場合に限り、被相続人の生前に放棄することができます。家庭裁判所の許可が必要なのは、被相続人が遺留分権利者に対して遺留分の放棄を強要することを防ぐためです。相続が開始してからは、家庭裁判所の許可は不要です。

相続人のうちの一人が遺留分を放棄しても、他の遺留分権利者の遺留分は増えまぜん。また、遺留分を放棄した人の代襲相続人には遺留分はありません。

チェスター相続クラブ

関連性が高い記事

相続人がいない場合
相続人不存在とは 死亡した人に相続人がいるかどうかが明らかでないときがあります。こうした状態を「相続人の不存在」といいます。 相続人がいるかどうかが明らかでないときとは、相続人となるべき者が戸籍上見当たらないときのほか、相続人全員が相続の放 […]
連帯債務者及び保証人の求償権の放棄
同一債務について複数の債務者が債務の全部を、複数の債務者で負担する方法「連帯債務」といい、その債務を負担するものを「連帯債務者」と言います。 求償権(きゅうしょうけん)とは 他人の債務を弁済した人が、その他人に対して返還に請求をする権利のこ […]
代襲相続人が被相続人の養子である場合の法定相続人の数
代襲相続の制度は相続人が死亡している時、本来の相続人に代わり相続分をその子供などが相続できるものです。 本来の相続人が死亡していなければ、あるいは重大過失を犯していなければ、将来的にその人の財産となるであろうという配慮からこれが認められます […]

カテゴリから他の記事を探す

相続大辞典目次へ

キーワード検索

入力されたキーワードに一致した記事を検索できます。

今すぐお問合せ 0120-390-203 PHS・携帯OK 【土日・夜間・訪問対応も可】平日9時~21時、土日9時~17時 メールでのお問合せ info@chester-tax.com

相続税に関する無料個別相談会開催中 お申込はこちら

出版書籍

『相続はこうしてやりなさい』これ1冊で相続のことが全て分かる!!

『相続はこうしてやりなさい』
これ1冊で相続のことが全て分かる!!

相続税専門
税理士法人チェスター(著)
出版社:ダイヤモンド社

『「華麗なる一族」から学ぶ相続の基礎知識』ミステリー小説で相続が早わかり

『「華麗なる一族」から学ぶ相続の基礎知識』
ミステリー小説で相続が早わかり

相続税専門
税理士法人チェスター(著)
出版社:亜紀書房

税理士が本当に知りたい相続相談頻出ケーススタディQ&A 1,000件を超える相談実績から“よくある事例”を厳選。

『税理士が本当に知りたい相続相談頻出ケーススタディQ&A』
1,000件を超える相談実績から“よくある事例”を厳選。

相続税専門
税理士法人チェスター(著)
出版社:清文社

  • 無料進呈 相続税申告必要資料準備ガイド
  • 税理士法人チェスター物語
  • 取材・セミナー履歴

    今まで当社がお手伝いさせていただいた新聞・雑誌の記事執筆、テレビ・CM出演、セミナーのご依頼等の履歴のページです。

  • お客様の声

    今まで当社がお手伝いさせていただいたお客様の中から、アンケートを一部ご紹介させていただきます。

  • 選ばれるチェスターの品質
  • れお君の相続徒然日記
  • 税理士 伊原慶のブログ
  • ビジョナリーバナー画像
  • Googleインドアビュー事務所内見学