伝染病隔離者の遺言

遺言書は、一般的には以下のような「普通方式」の遺言が作成されます。

  • ・自筆証書遺言 …… 遺言者自身が、全文および日付、氏名を自分で書いて、押印することで作成する遺言
  • ・公正証書遺言 …… 公証人と証人2人の前で遺言を口述して、その内容を公証人が筆記して作成する遺言
  • ・秘密証書遺言 …… 遺言者自身が署名押印し、同じ印で封印した遺言書を、公証人と証人2人の前で自分の遺言書だと申請して作成する遺言

しかし、一般社会との交通が断たれた場所にいるなどで、上記の方法で遺言ができない場合には、特別方式と呼ばれる方法が認められています。
もちろん、自筆証書遺言は作成可能ですが、公的に証明することができませんし、遺言者の状況によっては自筆できない場合もあります。そのため、遺言の正当性が必須の場合や、遺言者が自筆できない場合などは特別方式を採用することになります。

1.特別方式の遺言

上記の普通方式の遺言を作成できない場合には、状況に応じて以下の特別方式の遺言を作成することになります。

(1)一般危急時遺言

遺言者が病気やケガ等で死期が迫った場合です。
証人3人の立ち会いのもと口頭で遺言を伝え、証人がその遺言を書き記し署名押印して作成します。

(2)船舶遭難危急時遺言

遺言者が病気やケガ等で死期が迫った場合に認められるものですので、一般危急時遺言となりますが、船舶が遭難した場合はこちらが該当します。
証人2人以上の立ち会いのもと口頭で遺言を伝え、証人がその遺言を書き記し署名押印して作成します。

(3)伝染病隔絶地遺言

一般隔絶地遺言とも言われます。「伝染病」だけではなく、遺言者が行政処分で一般社会と交通を断たれている場合に認められます。
警察官1人、証人1人以上の立ち会いのもと作成します。
警察官が立ち会っているため、公正証書遺言や秘密証書遺言と同等の効果があります。ただし、遺言者自身が作成する必要があります。もし、遺言者が作成することができなければ、危急時遺言での遺言を作成することになります。

(4)船舶隔絶地遺言

在船者遺言とも言われます。
遺言者が船舶中にいる場合に認められるもので、船長または事務員1人以上と証人2人以上の立ち会いのもと作成します。

2.検認の手続き

公正証書による遺言を除いて、その他の遺言については、遺言書の保管者もしくは遺言書を発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、家庭裁判所へその遺言書を提出して「検認の請求」を行わなければいけません。
この時、もし遺言書が封印されている場合は、家庭裁判所で相続人の立ち会いのもと開封する必要もあります。

なお、遺言書の検認は、相続人に対して遺言の存在と内容を知らせ、遺言書の偽造や変造を防止するための手続きです。そのため、検認したからといって、必ず有効だというわけではありませんので注意しましょう。

【参考URL】
裁判所|遺言書の検認

チェスター相続クラブ

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