遺言の執行の妨害行為の禁止

相続人による遺言の執行の妨害行為の禁止と解釈上の問題点

遺言執行者が選任されている場合は、相続人は遺言の対象となった相続財産について処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができません。このような遺言の妨害行為の禁止に関して解釈上の問題点があります。
まず、遺言執行者がいる場合に相続人が無断で行った処分行為の効力がどうなるのかについて争いがあります。この点判例はこのような無断の処分行為は絶対的に無効になるとしています。
遺言執行者が存在するか否かは遺贈がなされたかどうかと同様第三者からはわからないことが多いため、第三者が相続財産に対する権利を取得できないとしたら取引の安全を著しく害することになるからです。
このような場合も、即時取得や債権の準占有者に対する弁済等により保護が与えられる場合には、第三者はそちらの制度で保護されることになります。
次に、遺言執行者として指定された者が就任を承諾する前でも、条文上の「遺言執行者がある場合」に該当するかどうかについて争いがあります。この点、判例は遺言執行者として指定された者が就任を承諾する前でも上記に該当するとしています。
仮に就職の承諾前の処分を有効であるとすると、遺言の存在を知った相続人がいち早く相続財産を処分することによって遺言者の意思に反する結果を簡単に実現できることになり不当だからです。
このように、相続人による遺言の執行の妨害行為の禁止については遺言者の意思の尊重と第三者の取引の安全の調和が要求されている領域であるといえます。

(遺言の執行の妨害行為の禁止)
第1013条
遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。

チェスター相続クラブ

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