遺産が未分割である場合の議決権割合の判定

遺産分割が纏まらず取引相場のない株式の一部の帰属先が決まらない段階で、取引相場のない株式の相続税評価に特例的評価方法である配当還元方式を適用できるかどうかを判定する場合、その判定に必要な納税義務者の株式取得後の議決権割合の計算は、どのように行うのでしょうか。以下では、これについて解説します。

取引相場のない株式の相続税評価について

取引相場のない株式の相続税評価は、以下の(1)~(3)のいずれか方式で行うことが原則です。
(1)純資産価額方式
(2)類似業種比準方式
(3)純資産価額方式及び類似業種比準方式の併用

しかし、少数株主が取得した取引相場のない株式については、例外的に、配当還元方式によってその評価を行います。

評価上の株主の判定について

上記のように、取引相場のない株式の相続税評価上において、当該株式を少数株主が取得したか、それ以外の株主が取得したかによって、その評価方法が異なります。

そして、相続によって取得された取引相場のない株式のうち、以下の基準に該当する株式が、少数株主が取得した株式となります。
(1)同族株主がいる会社の株式のうち、同族株主以外のものが取得した株式
(2)中心的な同族株主がいる会社の株式のうち、中心的な同族株主以外の同族株主が取得した株式で、取得後の議決権の数がその会社の議決権総数の5%未満であるものが取得した株式
(3)同族株主のいない会社の株式のうち、課税時期において株主の1人及びその同族関係者の有する議決権の合計数が、その会社の議決権の15%未満である場合の、その株主の取得した株式
(4)中心的な株主がおり、かつ、同族株主のいない会社の株主のうち、課税時期において株主の1人及びその同族関係者の有する議決権の合計数がその会社の議決権総数の15%以上である場合における株主で、その者の株式取得後の議決権の数がその会社の議決権の数の5%未満であるものが取得した株式

なお、ここで「同族株主」とは、課税時期の評価会社の株主のうち、株主の1人及びその
親族(同族関係者)等が保有する議決権の合計数が、その会社の議決権総数の30%以上
等である場合におけるその株主及びその親族等のことを言います。

次に「中心的な同族株主」とは、課税時期における同族株主の1人及び一定の親族(配
偶者、直系血族、兄弟姉妹、1親等以内の姻族)等が保有する議決権の合計数が、当該会
社の議決権総数の25%以上である場合のその株主をいいます。

最後に「中心的な株主」とは、課税時期において株主1人及びその同族関係者の有する
議決権が会社の総議決権の15%以上である株主グループのうち、伊豆からのグループが
会社の総議決権の10%以上の議決権を有している株主がいる場合のその株主をいいます。

遺産が未分割である場合の議決権割合の判定について

上記(2)及び(4)に該当する場合には、取引相場のない株式が、少数株主によって取得されたか否か、すなわち、当該株式の相続税評価に特例的評価方式を用いることが可能か否かは、株式を相続で取得した納税義務者の株式取得後の議決権総数が会社の議決権総数に占める割合によって判定されます。

このケースでは、取引相場のない株式の相続税評価を行う際、相続によって当該株式を取得した納税義務者の株式の議決権総数が、会社の議決権総数に占める割合を決めなくてはなりません。

ここで、照会者が、相続税の申告期限までに遺産分割協議が纏まらず、遺産が未分割の場合に、取引相場のない株式に評価に特例評価の方式を用いるかどうかの判定はどう行うか、ということについて国税庁に対して質問を行いました。

この照会に対し、国税庁は、遺産未分割で帰属が決まらない取引相場のない株式はすべて
納税義務者に帰属したものとして、株式取得後の議決権割合を計算し、それをもって特例評価方式が適用できるか否かの判定を行う、と回答しました。

上記の質問とそれに対する回答が質疑応答「遺産が未分割である場合の議決権割合の判定」となります。

チェスター相続クラブ

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