相続人に認知症患者や未成年者がいる場合

人が亡くなると相続が開始するのですが、相続人の中に健常者や成年ではない相続人がいることはよくあります。例えば、相続人が認知症を患っていたり、未成年であるという場合です。これらの場合でも相続人としての地位は、他の相続人と差があるわけではありませんし、現実に相続財産を受け取る場合でも特に不利益を受けることはないのです。

ところが、認知症の方や未成年者は、一般的に成人と比較すると判断力が低い場合があるため、遺産分割が行われる際に他の共同相続人が自分に有利になるように分割する危険性があります。そこで、認知症患者や未成年者を保護するための制度が設けられています。

1.認知症患者や未成年者を保護するための制度

(1)成年後見制度

成年被後見人が相続人であれば、原則として成年後見人が代理で遺産分割協議に参加します。ただし、成年後見人も相続人であるということはよくあり、利益が相反することになる場合には特別代理人を選任しなくてはなりません。

症状の軽い認知症の場合は後見開始の審判を受けていないことが多いので、家庭裁判所に対して後見を開始する審判を申立てなくてはなりません。したがって、選ばれた成年後見人は成年被後見人の代理として遺産分割協議に参加します。

(2)未成年後見人制度

未成年者が相続人であれば、原則として未成年者の親権者が代理人で遺産分割協議に参加します。ただし、未成年者の親権者自身も相続人であるということはよくあり、利益が相反することになる場合には特別代理人を選任しなくてはなりません。

2.成年後見人や特別代理人を立てた場合の相続分はどうなる?

後見人や特別代理人が代理で遺産分割協議をする場合、自由に相続放棄をしたり、法定相続分よりも不当に過小な取り分で分割の協議に応じることは許されていません。

【具体例:父が死亡し妻と未成年の子が相続人の場合】
もし配偶者が相続財産を取得すると、配偶者の税額軽減の特例により配偶者の法定相続分相当額か1億6千万円のどちらか多い方まで非課税となります。また子供が未成年なら財産は不要だということで、親族間で勝手に子供の相続分をないことにする分割協議をすることはできません。

成年後見人や特別代理人を選ぶ際には、分割協議をする前に、家庭裁判所で分割案についての確認がされるということは知っておきましょう。

3.未成年者が成人になるまで待つというのもひとつの方法

法定相続人が未成年であれば、未成年者が成人になるまで分割しないでを待つという方法をとることができます。成年後見制度を利用しないで、相続税の申告期限が到来するまでに成人になるのであれば、成人した後に遺産分割をするということもできます。

もし成人になるまで時間があれば、相続税の申告をいったん未分割で処理し、成人になってから分割し、更正の請求をするという方法をとることもできます。ただし、申告期限後3年以内の分割見込書を提出することは忘れてはなりません。

チェスター相続クラブ

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