相続の放棄をした者による管理
相続の放棄後の財産管理
一般的に良く勘違いをされるものとして、相続の法規手続きをとると、その後は遺産の管理は必要ないと認識している人が多いです。
しかし、実際には、放棄をしたことにより新たに相続人となった人が財産の管理を始められるようになるまでは、自分の財産と同じように財産を管理しなければならない義務があります。
相続権の問題で言うと、放棄をした場合には、その人は始めから相続人ではなかったとみなされているため、遺産の管理義務も免除されると思われがちですが、放棄後に直ちに管理責任を免除すると、相続人が決定されるまでの間に財産に何らかの問題が生じ、次順位の相続人などに損害を与える可能性があると考えられているのです。
遠方に住んでいるなど、相続の放棄をしたものによる管理が難しい場合には、相続放棄の手続きと同時に相続財産管理人選任申立てを行うと良いでしょう。
これは、弁護士や司法書士などの専門家が相続財産の管理人となり、財産を適切に管理するよう裁判所に求める手続きです。
申立てには管理人の報酬として、ある程度まとまった金額の予納金が必要になりますが、例えば住宅が遺産として残されており、それが火元となって周囲の家に損害を与えた場合など、放棄をしていても責任を問われるケースがありますので、特に不動産や危険性の高い品物が遺産に含まれている場合には、専門家の管理を事前に申し立てておいたほうがリスクが少なくてすみます。
(相続の放棄をした者による管理)
第940条
1.相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
2.第645条 、第646条 、第650条第1項 及び第2項 並びに第918条第2項及び第3項の規定は、前項の場合について準用する。
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