受益者のための居住用不動産を取得することの可否
特別障害者扶養信託と認められるためには
特定障害者扶養信託の要件の一つとして、『相続税法施行令第4条の12第3号』に規定される内容があります。それは、『特定障害者に関わる信託財産の交付』についての金銭の支払いは、『障害者の生活や療養の需要に応じるため』に行われるものである必要があるということです。
つまり、障害者の生活や療養のために定期的、または必要に応じて適切に使われるものが、『特定障害者扶養信託』に該当する金銭の支払いと認められることになります。
障害者のために居住用不動産を取得することは、この要件を満たすか
でも、この定義の場合だと、『居住用不動産』を取得することはどう扱われるのかが問題となります。
特別障害者のために不動産を購入した場合、これは特定障害者扶養信託と認められるのでしょうか。
例えば、特別障害者の名義で居住用不動産を取得するとします。そこで専任の介護者を付けたいと考えます。そのために、居住用不動産の購入資金のために、特定障害者扶養信託の信託財産(6000万円)のうち、5000万円を払い出そうとします。
この場合、5000万円の支払いは、特定障害者扶養信託の要件の一つである、『障害者の生活や療養に必要とされるもの』として認められるでしょうか。
これの答えは『認められない』となります。
障害者の居住用不動産を取得するための払い出しは、障害者の生活や療養の需要に応じたものとは言えません。よって、『相続税法施行令第4条の12第3号』の特定障害者扶養信託の要件を満たさないものと解釈されます。
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