チェスターNEWS -2015/10/21-
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相続放棄をしても相続税の基礎控除は変わりません

相続人の中に相続放棄をした者がいても基礎控除は変わりません
相続人のうちの1人または複数人が相続放棄をした場合でも相続税の基礎控除額に変更はありません。仮に、法定相続人全員が相続放棄をした場合でも、基礎控除額や相続税の総額の計算方法は変わりません。
つまり、相続放棄をしてもしなくても相続税額の総額に変更は生じません。
相続放棄をしたからと言って、相続税を計算する上での基礎控除額は減ったりしませんのでご安心ください。
相続放棄をした相続人がいる場合の計算例
【前提】
相続発生:平成27年10月1日
相続人:長男A,次男Bの2人(※ 長男Aが相続放棄)
遺産総額:5,000万円(基礎控除前)
(STEP1) 5,000万円-(3,000万円+600万円×2)=800万円
(STEP2) 800万円÷2 = 400万円
(STEP3) 400万円×10% =40万円
(STEP4) 40万円×2 = 80万円(次男Bが負担すべき相続税)
上位の(STEP3)までは、仮に長男Aが相続放棄をしてもしなくても、計算方法はまったく同じで変わりません。
つまり、相続放棄をしてもしなくてもこの相続案件については、相続税の基礎控除は4,200万円ということになります。
死亡保険・死亡退職金の非課税枠も変わりません
相続放棄をした相続人がいる場合も、生命保険や死亡退職金の非課税枠の総額には変更がありません。但し、相続放棄をしても生命保険を受け取ることはできますが、その際にその相続放棄をした人に対する非課税枠は使えないということなります。
【計算例】
・相続人A,相続人Bの相続人が2名
・相続人Aが受取分の生命保険1,500万、相続人Bが受け取り分の生命保険500万
1)相続放棄をしていない場合
非課税枠の合計:500万×2 =1,000万円
相続人Aに適用となる非課税枠:1,000万円÷2,000×1,500=750万円
相続人Bに適用となる非課税枠:1,000万円÷2,000×500=250万円
2)相続人Bが相続放棄をした場合
相続人Aに適用となる非課税枠:1,000万円(<1500万円)
3)相続人Aが相続放棄をした場合
相続人Bに適用となる非課税枠:500万円(<1000万円)

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