チェスターNEWS -2013/05/14-
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特約還付金の非課税枠適用の可否について
生命保険契約には、その基本となる契約以外に、災害特約、入院特約といった様々な特約をつけることができます。
しかし、特約のある生命保険契約の被保険者が亡くなった場合には、保険金の受取人に対し、死亡保険金以外にも特約還付金が支払われる場合も少なくありません。
死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となりますが、そのうち法定相続人が2人の場合は1,000万円、3人の場合には1,500万円までは非課税となるように、一定の非課税枠があります。
ところで、前記の特約還付金はこの非課税枠の対象となるのでしょうか。
非課税枠の適用がある保険金とは、相続税法3条第1項第一号に規定する保険金であり、相続税法基本通達3-7により、保険金とともに支払いを受ける剰余金等を含むものとされています。
さらに、相続税法基本通達3-7によれば、相続税法3条第1項第一号に規定する保険金とは、この場合においては、被相続人の死亡を保険事故として支払われる保険金に限られています。
ところで、特約還付金は、災害特約、入院特約などの、基本契約に付随し、死亡を保険事故としない契約の保険料の払い戻しです。
つまり、特約還付金は、被相続人の死亡を保険事故としない保険契約の払い戻しにすぎないため、法3条第1項第一号に規定する保険金の剰余金等とはいえません。
よって、当該特約還付金には非課税枠の適用はありません。
もちろん特約還付金については、相続税の課税対象なりますし、分割協議の対象となります。

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