チェスターNEWS -2017/06/06-
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実務家注目!定期預金も遺産分割の対象に。最高裁が判断

平成29年4月6日、最高裁判所第一小法廷は共同相続された定期預金(定期積金を含む。以下同じ)は相続分に応じて共同相続人に当然に分割承継されるものではなく、遺産分割の対象となると判断しました。
今回の事件内容を簡便的にまとめると下記の通りとなります。
被相続人は死亡時において信用金庫に対し定期預金を有していた。
相続人である子は信用金庫に対して、当該定期預金を相続分に応じて分割取得したなどと主張して、自身の相続分相当額の払い戻しを求めた。
平成28年(受)第579号 預金返還等請求事件
これまでの考え方では、定期預金は相続分に応じて各相続人に分割承継されていました。
今回の事件でも高裁の判決では相続分に応じて各相続人に分割承継されるとして、相続分に応じた定期預金の払戻しを認めていました。
平成28年12月には普通預金についても最高裁で定期預金と同様の判決が下っており、今回の判決に大きく影響しています。
内容については次の記事を参考にしてください。
最高裁が預貯金も遺産分割の対象になると判断
これで、普通預金、定期預金、定期積金が遺産分割の対象となることになります。
遺産分割を行わなくても相続分の払戻しを請求できた従前の取扱から、遺産分割を行わないと払戻しが受けられなくなる取扱いになることが予想されます。

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