チェスターNEWS -2017/12/05-
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遺言が無効となる2つのケースと無効とされないための対策
相続税の現場において、遺言が存在していたとしても、効力がないとされてしまう場合があります。せっかく遺言を書いたにも関わらず効力がないとされてしまった場合には、被相続人の想いを反映できなくなってしまいますので、注意が必要です。
※各遺言のメリット、デメリットについて 自筆証書遺言の加除・訂正・撤回 もご参照下さい。
1.遺言が無効とされる場合
遺言が無効とされる場合とは、どのような場合か、一般的に多い事例を確認したいと思います。
①内容の不備
公正証書遺言の場合には、公証役場にて確認の上作成されますので、不備があるという事はほとんどありません。しかし、自筆遺言の場合には法的な要件が整っておらず、無効とされる場合が考えられます。
自筆遺言については、民法第968条に規定があり、すべて自署で作成し、作成日を記載した上で、署名押印をしていなければなりません。
単純な勘違いなどによる不備であっても、無効とされてしまうこととなります。
②意思能力の有無
こちらも公正証書遺言の場合には少ないと考えられますが、自筆遺言の場合、作成時に意思能力なかったとされた場合には、無効となります。
このような問題が生じるのは、一般的に相続人同士の争いがある(争続)ケースとなります。
一方の相続人が遺言の内容に納得がいかないような場合には、「意思能力がないことを利用してもう一方の相続人が有利なように書かせたのではないか?」などと疑い、作成時に意思能力がなかったため無効であると主張される場合が多いかと思われます。
意思能力の有無については、画一的な線引きは難しく、争いとなってしまった場合には、裁判等によりその当時の状況を個別的に判断する必要があり、結果として被相続人の想いとは異なることとなってしまいます。
2.遺言が無効とされないようにする方法
遺言が無効とされてしまった場合、余計な手間が発生することとなります。
後に問題とならない遺言を作成するためには
・公正証書遺言で作成する。
・意思能力を疑われることがないように、早めに作成する。
ということになるかと思われます。
また、相続人間の関係性も考慮し、極端に不公平な遺産の分配を避けることも、場合によっては必要になると考えられます。
適法かつ有用な遺言とするために、事前に専門家に相談の上、作成することをおすすめします。

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