チェスターNEWS -2015/04/20-
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相続税節税の特効薬!?ワンルームマンションを使った相続税対策

1. ワンルームマンションの購入はなぜ相続税の節税につながるか?
相続税の節税対策としてワンルームマンションの購入が適していると良く聞きますが、その一番の理由は、時価(購入価額)と相続税評価額に大きな乖離があるからです。
現金3,000万円の相続税評価額は、3,000万円です。それでは、現金3,000万円で購入したワンルームマンションの相続税評価額は、3,000万円でしょうか。
答えはNoです。
3,000万円で購入したワンルームマンションの相続税評価額は、一般的に1,000万円以下になるといわれています。
本来であれば、3000万円の時価がある財産が、相続税の計算上1000万円以下になるのです。これが現金で持っているよりも不動産を持っていた方が相続税の計算上、有利と言われる理由です。
ワンルームマンションは不動産ですので相続税評価額計算上も購入価額でなはなく土地や建物として評価します。土地と建物に分けて相続税評価の計算方法を解説します。
① 土地
土地の相続税評価は路線価を基に評価しますが、この路線価が時価(購入価額)の8割程度になると言われています。また、投資目的でワンルームマンションを購入する場合がほとんどだと思いますので、購入したワンルームマンションを第三者に賃貸します。この賃貸をすることにより路線価の評価額から更に2割減をすることができます。これを貸家建付地といいます。
さらに、小規模宅地等の特例を適用することにより貸家建付地の評価額を半分にすることができるのです。
② 建物
建物の相続税評価額は、固定資産税評価額を基に計算します。固定資産税評価額は、物件により異なりますが、一般的には時価(購入価額)の50%程度と言われています。また、土地と同様に他人に貸しているということで更に30%の評価減ができます。
2. 実際に節税効果を計算してみましょう
・購入価額3,000万円(内訳:土地1,500万円、建物1,500万円)

※ 土地
・路線価評価
1,500万円×80%=1,200万円
・貸家建付地評価
1,200万円×約80%=約1,000万円
・小規模宅地等の特例の適用
1,000万円-1,000万円×50%=500万円
※ 建物
・固定資産税評価額
購入価額の50%として750万円
・貸家評価
750万円×(1-30%)=約500万円
購入前は相続税評価で3,000万円であった現金をワンルームマンションに組み替えることにより相続税評価1,000万円となり、2,000万円の圧縮につながります。相続税の税率が30%の人である場合には600万円程度の節税となるのです。
3. ワンルームマンション選びのポイント
ワンルームマンションで相続税の節税が実現したとしても、購入後ワンルームマンションの価値が下がったり、空室期間が長く収益性が低かったりしたら本末転倒です。相続税の節税以上に資産運用で損しないためにもワンルームマンションを選定する上でのポイントを解説します。
① 都心部の物件
やはり立地が最重要です。東京都であるならば、港区、中央区、千代田区、渋谷区等の都心部の物件が良いでしょう。東京オリンピックも控え都心部のワンルームマンションは値上がり傾向にあります。
② 駅からのアクセス
ワンルームマンションの選定のポイントは、自分が住んで住みやすい物件を選ぶことです。そういう意味では駅からのアクセスは非常に重要です。また、空室リスクを最小限にするためにも駅近物件が良いでしょう。
③ ある程度の規模のマンション
将来の大規模修繕等を考慮すると管理組合等がしっかりしているある程度の規模感がある物件のほうがベターです。30戸以上の戸数がある規模だと安心でしょう。
④ 旧耐震建物(S56年以前)に気をつける
建物の建築年月日も非常に重要です。昭和56年前後で建物の耐震性が異なりますので、選定の際は新耐震の物件を選ぶべきでしょう。

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