チェスターNEWS -2015/06/01-
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遺産相続を孫にするための方法

遺産相続を孫にするためには準備が必要?
亡くなった方の遺産は、民法で規定されている法定相続人の中で分け合うのが基本です。
例えば、おじい様が亡くなった時、おじい様の子供は、おじい様の法定相続人に該当しますが、その子供である孫はおじい様の法定相続人に該当しません。そのため、遺産相続を孫にすることが出来ないことになります。
例外として、おじい様が亡くなった時におじい様の子が既に亡くなっていた場合は、その子の子供、つまりおじい様の孫が亡くなっている親に代わって法定相続人になります。
これを代襲相続といい、遺産相続を孫にするための方法のひとつになります。
ただ、代襲相続は、代襲相続になるための条件が揃った場合に自動的に孫が法定相続人になるといったもので、孫の親が生きている場合でも孫に遺産相続をするためには、やはり準備が必要になります。
遺産相続を孫にするための方法
① 遺言書で遺贈する
法定相続人には該当しない孫に遺産相続する方法として最も簡単な方法は、遺言書を作成して遺贈する方法です。
遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類がありますが、公証役場で作成する公正証書遺言が偽造や紛失の恐れが無く、また公証人と呼ばれる遺言書作成のプロがサポートしてくれるので有効な遺言書の作成ができお勧めです。
遺産相続を孫にするための方法
② 孫と養子縁組をする
孫が法定相続人に該当しないため、遺産相続を孫に出来ないのであれば、孫を養子にすることで法定相続人にする方法が考えられます。
孫と養子縁組をすると、遺言書が無くても法定相続人である孫は他の法定相続人と共に遺産分割協議に参加することが出来ますので、有効に孫に遺産相続させることが可能です。
孫に遺産相続をすることのメリット・デメリット
孫に遺産相続をすることによる最大の利点は、相続を一回飛ばすことができることです。
通常の場合、亡くなった方の遺産は子供が相続し、相続した子供が亡くなった時に、孫が子供の受け取った財産を相続して遺産が引き継がれていきます。
この時、最初に亡くなった方の遺産について、最大で2回の相続税が発生することになります。
これを、祖父母から孫に一度に遺産相続すると、1回の相続税の支払で済むことになり、また、相続する財産が不動産の場合は、名義変更の手間も一度で済むことになるため節税になります。
デメリットとしては、孫が遺産相続した財産について掛かる相続税は、通常の相続税の2割増になることです。これは孫と養子縁組をしていても避けることは出来ず、そもそも発生する相続税が少額の場合や、子供から孫への相続の際に相続税が掛からない範囲の遺産総額になる場合は結果として不利になる可能性があります。
孫への相続で思わぬ贈与税が!?

上記の方法を経ずに、孫に財産を相続させてしまうと、孫に対する贈与とみなされ、思わぬ贈与税負担がかかる恐れがあるため注意が必要です。このため孫に財産を相続させたい時には、生前からしっかり準備をしておくことが重要となります。

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