配偶者が財産の分割前に死亡している場合
配偶者は常に相続人になる事ができ、その地位を相続することが可能
民法では、配偶者は常に相続人になると定められています。被相続人ともっとも関係が深いのが配偶者ですから、そのために遺産分割をするときには、必ず分割協議に参加しなければなりません。もしも行方不明や意識不明の場合であったとしても特別代理人を選任しなければならないと決められています。これくらい配偶者は優遇されています。しかし、配偶者が死亡した場合にはどうすれば良いのでしょうか。
法的な手続きでは、配偶者の地位は継承されることになります。配偶者に子供や兄弟などがいる場合には、まず同時に遺産分割協議をすることになります。数次相続と呼ぶ事もあるのですが、この地位そのものが相続されると考えておけば良いでしょう。
税務上はどのように扱うのかというと、相続する地位が相続されてから相続をする二重の相続が発生していることになるのですが、実際には配偶者は財産を受け取ってはいませんから課税されることはありません。ですから、支払う相続税は一度分となります。手続き上ではこのように二回の相続が行われたと考えられるのですが、これに対して税額の計算は一度で良いと言うことになっています。
このように基本的には取り扱いが複雑になっていて、これが争いになって先送りされてしまうこともあるのですが、時間がかかれば時間がかかるほどまとまりにくくなるものです。配偶者が死亡している場合であっても、きちんとこの事を把握しておく必要はあるでしょう。
(配偶者が財産の分割前に死亡している場合)
19の2-5 相続又は遺贈により取得した財産の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によって分割される前に、当該相続(以下19の2-5において「第1次相続」という。)に係る被相続人の配偶者が死亡した場合において、第1次相続により取得した財産の全部又は一部が、第1次相続に係る配偶者以外の共同相続人又は包括受遺者及び当該配偶者の死亡に基づく相続に係る共同相続人又は包括受遺者によって分割され、その分割により当該配偶者の取得した財産として確定させたものがあるときは、法第19条の2第2項の規定の適用に当たっては、その財産は分割により当該配偶者が取得したものとして取り扱うことができる。(昭47直資2-130追加、昭50直資2-257、昭57直資2-177、平17課資2-4改正)
(注) 第1次相続に係る被相続人の配偶者が死亡した後、第1次相続により取得した財産の全部又は一部が家庭裁判所における調停又は審判(以下19の2-5において「審判等」という。)に基づいて分割されている場合において、当該審判等の中で、当該配偶者の具体的相続分(民法第900条から第904条の2((寄与分))までに規定する相続分をいう。以下19の2-5において同じ。)のみが金額又は割合によって示されているにすぎないときであっても、当該配偶者の共同相続人又は包括受遺者の全員の合意により、当該配偶者の具体的相続分に対応する財産として特定させたものがあるときは上記の取扱いができることに留意する。
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