特定障害者に対する贈与税の非課税
特定障害者の信託のメリット
病気や事故などにより、心身に障がいが生じている人の中でも、特に重度の障がいがある人は特別障害者といわれています。
これは、常に心神喪失の状況にある人や所定の施設や精神科医から重度の知的障害者と認定されている人、1級または2級の身体障害者手帳を所有している人など、法令で定められている条件があり、これを満たしている人に対して親族などの個人が金銭、有価証券、預金その他財産を信託銀行に信託した時には、6,000万円まで贈与税がかからないという特定障害者に対する贈与税の非課税措置があります。
一般的な生前贈与の非課税限度額は年110万円までとなっていますが、特定障害者の人はこの制度を使うことにより、ほとんどの場合、非課税で生前贈与を受けることができるようになっています。
なお、この制度では特定障害者には含まれるものの、中軽度の知的障害者や2級または3級の精神障害者など、特別障害者には含まれない状態の人の場合には、3,000万円までの贈与が非課税とされており、ある程度症状が軽い人でも利用できるようになっています。
また、この手続きをとると贈与に関する税制面のメリットだけでなく、財産を信託するので、第三者が勝手に財産を浪費したり、保管場所を忘れたり、盗難にあうといったリスクを回避することができます。
生活費や医療費などの必要経費はその都度支払われますので、安心して運用できる制度です。
(特定障害者に対する贈与税の非課税)
第21条の4 特定障害者(第19条の4第2項に規定する特別障害者(第1条の4第2号又は第3号の規定に該当する者を除く。以下この項において「特別障害者」という。)及び第19条の4第2項に規定する障害者(特別障害者を除く。)のうち精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者その他の精神に障害がある者として政令で定めるもの(第1条の4第2号又は第3号の規定に該当する者を除く。)をいう。以下この項及び次項において同じ。)が、信託会社その他の者で政令で定めるもの(以下この条において「受託者」という。)の営業所、事務所その他これらに準ずるものでこの法律の施行地にあるもの(第3項において「受託者の営業所等」という。)において当該特定障害者を受益者とする特定障害者扶養信託契約に基づいて当該特定障害者扶養信託契約に係る財産の信託がされることによりその信託の利益を受ける権利(以下この条において「信託受益権」という。)を有することとなる場合において、政令で定めるところにより、その信託の際、当該信託受益権につきこの項の規定の適用を受けようとする旨その他必要な事項を記載した申告書(以下この条において「障害者非課税信託申告書」という。)を納税地の所轄税務署長に提出したときは、当該信託受益権でその価額のうち6000万円(特定障害者のうち特別障害者以外の者にあつては、3000万円)までの金額(既に他の信託受益権について障害者非課税信託申告書を提出している場合には、当該他の信託受益権でその価額のうちこの項の規定の適用を受けた部分の価額を控除した残額)に相当する部分の価額については、贈与税の課税価格に算入しない。
【令】第4条の8、 第4条の9
【則】第7条
《改正》平15法008
《改正》平25法005
2 前項に規定する特定障害者扶養信託契約とは、個人が受託者と締結した金銭、有価証券その他の財産で政令で定めるものの信託に関する契約で、当該個人以外の1人の特定障害者を信託の利益の全部についての受益者とするもののうち、当該契約に基づく信託が当該特定障害者の死亡の日に終了することとされていることその他の政令で定める要件を備えたものをいう。
【令】第4条の10、 第4条の11
《改正》平25法005
3 障害者非課税信託申告書には、受託者の営業所等のうちいずれか一のものに限り記載することができるものとし、一の障害者非課税信託申告書を提出した場合には、当該障害者非課税信託申告書に記載された受託者の営業所等において新たに特定障害者扶養信託契約に基づき信託される財産に係る信託受益権につき第1項の規定の適用を受けようとする場合その他の場合で政令で定める場合を除き、他の障害者非課税信託申告書は、提出することができないものとする。
【令】第4条の12
《改正》平25法005
4 前2項に定めるもののほか、障害者非課税信託申告書の提出及び当該障害者非課税信託申告書に記載した事項を変更した場合における申告に関する事項その他第1項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
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