相続人が特定贈与者のみである場合
通常の相続人との違いとは
相続時精算課税における相続税基本通達という規定では特定贈与者という言葉を何度も見かけることがあります。普通の贈与者と何が違うのかと思う方もいるかと思いますが、この特定贈与者というのはあくまで相続時精算課税が適用された贈与者のことを指します。
この課税制度が適用されるには贈与者が60歳以上でなければならないため、必然的にその60歳以上の人が特定贈与者ということになるわけです。
なので60歳以上の適用された贈与者と見るのがよく、そこまで難しく考える必要がない言葉です。
さて、その特定贈与者の意味が分かったところで、この相続時精算課税には相続税基本通達によって承継という、もし相続人が亡くなった場合、誰に権利と義務が受け継がれるか規定がされています。基本的にこの課税制度が適用されている相続人が亡くなった場合には、その相続人の相続人に再継承相続人として承継されます。
しかしこの再継承相続人が亡くなってしまうとその相続時精算課税の適用による権利と義務は消滅してしまいます。ではこれを踏まえて、もしもその相続人が他に存在せず特定贈与者だけだった場合にはどうなるのでしょうか。
この場合は権利と義務は他の相続人には承継されないようになります。なのでこの場合だと特定贈与者が亡くなったことに関係のある課税適用者の相続税の申告は必要ないものとなります。誰が相続人になるかで承継のルールが変わってくることに気をつけましょう。
(相続人が特定贈与者のみである場合)
21の17-3 相続時精算課税適用者の相続人が特定贈与者のみである場合には、相続時精算課税の適用に伴う権利義務は当該特定贈与者及び当該相続時精算課税適用者の民法第889条((直系尊属及び兄弟姉妹の相続権))の規定による後順位の相続人となる他の者には承継されないのであるから留意する。
したがって、この場合には、当該特定贈与者の死亡に係る当該相続時精算課税適用者の相続税の申告は必要がないこととなる。(平15課資2-1追加、平17課資2-4改正)
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